輪廻の火

□異界の力
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「はあぁぁぁぁぁっっ!!」


気合と共に放たれた一閃は、ワラ人形をその切り口から発火させた。
ほんの数秒で消し炭と化すその火力から、彼の力を窺い知る事が出来る。

「随分使えるようになったのね。傷はもう?」

練習場入口の方から女性が近寄って来た。
手にしていた剣を鞘に戻し、そちらを向く。

「姫。おかげでもう何ともありません。力も与えて下さり、お礼の言葉も」
「シルヴィス? 言った筈よね。姫と呼ぶのはやめて。それと、力は私が与えた訳ではないわ。それは貴方が元々持っていたもの。私は引き出すきっかけを与えたに過ぎないわ」

姫と呼ばれた女性は彼の言葉を遮り、頬に手を伸ばした。
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