輪廻の火

□始動
1ページ/13ページ



  ―ねぇ、貴方このまま死ぬ? それとも…


こちらの世界に来た時にヴェミールに聞かれた事。

(死にたくなかった。皆の為に戦う事にならなくても…)

与えられた部屋で簡易ベッドに腰掛け、シルヴィスはじっと己の手を見ていた。

(火は俺に従う、か…)

エルフィの言葉だけなら、信じる事は難しかったかもしれない。
だが、実際にイメージ通りに炎が動くのを体感した。
信じない訳にはいかなかった。


  ―生きたい…。


辛うじてそう言って意識をなくしたシルヴィスを、ヴェミールはここへ連れて来て治療した。
そして目覚めた後、こう言った。


  ―手を貸さない? 治療代金の代わりに。或いは…魔法を教える代わりでも良いわ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ