≪とある世界の真空領域≫

□第五章
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その少女と出会ったのは、篠坂が小学六年生の時だった────





とあるコンビニに篠坂が入ると、店内には高校生くらいの少年が数人いた。





(《スキルアウト》…か)



見るからに、安っぽい不良。





ソイツ等は(気の弱そうな)店員を牽制しなから、目の前で堂々と万引きしていた。





それを見て、篠坂は顔をしかめた。



(めんどくさいな…)





見れば周りの人間は、みんな見て見ぬふりをしている。



篠坂と同じように、面倒ゴトに関わりたくない そんな顔をしていた。





やがて、《スキルアウト》達が満足してコンビニを出る、そんな時だった──










「ダ、ダメなんだよ…」










弱々しい声が、やけに鮮明に聞こえた。




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