ツナ受け
□彼岸花
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「は〜…」
秋の風が吹いている野原で、一人オレは横たわっていた。
出て来るのは溜息ばかり。
何でかなんて、考えんのもダルいだけだ…
全部、アイツのせい
アイツの事を考えないようにしても、勝手に出てきちまう有様だ。
「……ったく…。オレはいつから女みたいな思考になっちまったんだ…。バーローが…」
ゴロンと寝返りをうち、寝直そうと体勢を変えた時だった。
「ザっクロく−ん♪」
頭上から突然、オレ達の神の声が聞こえてきた。
最初は空耳かと思ったが、身体を起こすとそこには神の姿があった。
「…どうしたんですか」
「あれ見て♪」
「…?」
神が指差す先を見てみると、辺りいったいに深紅色の彼岸花が咲き乱れているのが見えた。
「あれがどうか…?」
「今のザクロクンみたいでしょ♪」
「──は?」
オレには神が何を言っているのかがいまいち呑み込めない状況だ。
髪が赤いからか…?
それか他の何か…
神が彼岸花とオレとの共通点を言っているのかと思い、自分との共通点を捜しまくった。
そんなオレを見た神が、笑い声を上げた。
「違うよザクロクン。見た目じゃなくって、花言葉だよ、花・言・葉」
「花言葉ぁ…?」
唐突にそう言われ、間抜けな声が上がった。
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