ツナ受け

□チヂマラナイ、チヂメラレナイ
1ページ/4ページ

私がどんなに彼に近付こうとしても

それが叶う事は無いのです


彼の側には


いつも「あの方」が居られるのですから…








ある日の任務帰り、私は扉の入り口近くに彼の姿を見付けました。

…何度見ても

フワフワとしたその可愛らしい容姿からは、巨大なファミリーのボスとは思えませんね…

彼を眺めていて、必然とそんな事を思ってしまいます。

愛らしさという愛らしさが、全て彼に詰まっているとでも思える程に、彼自身からは愛くるしさが放たれているのですから…。

見惚れてしまう

本当なら今すぐ彼の元へ走って行って

彼をこの腕の中に治めてしまいたい


幾度となく、私はそう思った。

今目の前に、歩いて来る彼の姿がある。

歩いて来るのが

彼だけ。なら何も問題は無いのです。

私は何にも躊躇する事無く

彼の元へと行けるのです。

私はずっと彼の事を目で追う。

正確に言えば

彼の後ろに居るであろう人物を確かめる為に。


歩いて来るのは彼だけではない。
その後ろに


「あの方」の姿が在る事を




私は確信しているのですから…







案の定、彼の事を目で追っていると、その後ろにもう一人、彼に寄り添うように出て来る人物の姿が見えました。

その姿が見えたと同時に、酷く自分の中の何かが渦を巻くのです…。

漆黒の隊服に、それと真逆な真っ白い髪


やはり

「あの方」の姿がそこには在りました。











そう。白蘭様のお姿が…





.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ