ツナ受け
□チヂマラナイ、チヂメラレナイ
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私がどんなに彼に近付こうとしても
それが叶う事は無いのです
彼の側には
いつも「あの方」が居られるのですから…
ある日の任務帰り、私は扉の入り口近くに彼の姿を見付けました。
…何度見ても
フワフワとしたその可愛らしい容姿からは、巨大なファミリーのボスとは思えませんね…
彼を眺めていて、必然とそんな事を思ってしまいます。
愛らしさという愛らしさが、全て彼に詰まっているとでも思える程に、彼自身からは愛くるしさが放たれているのですから…。
見惚れてしまう
本当なら今すぐ彼の元へ走って行って
彼をこの腕の中に治めてしまいたい
幾度となく、私はそう思った。
今目の前に、歩いて来る彼の姿がある。
歩いて来るのが
彼だけ。なら何も問題は無いのです。
私は何にも躊躇する事無く
彼の元へと行けるのです。
私はずっと彼の事を目で追う。
正確に言えば
彼の後ろに居るであろう人物を確かめる為に。
歩いて来るのは彼だけではない。
その後ろに
「あの方」の姿が在る事を
私は確信しているのですから…
案の定、彼の事を目で追っていると、その後ろにもう一人、彼に寄り添うように出て来る人物の姿が見えました。
その姿が見えたと同時に、酷く自分の中の何かが渦を巻くのです…。
漆黒の隊服に、それと真逆な真っ白い髪
やはり
「あの方」の姿がそこには在りました。
そう。白蘭様のお姿が…
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