ツナ受け

□狂わせたのは君
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「綱吉君…」

並盛中学校の校門の隣で、僕はすぐ先の道を見ながら呟いた。

その道には、愛しの綱吉君の姿が在りましたから。

ですが…

「何故あの男が綱吉君の隣にいるのでしょうね…」

不快感をあらわに、僕はその男を睨み付けた。

その男と言うのは、雲雀恭弥の事だ。
雲雀は綱吉君の恋人と言う事で世間に広がっている。

「……邪魔。ですね」

あの男さえいなければ、綱吉君は僕を愛していてくれたはずなのに

あの綱吉君の笑顔も、本当は僕に向けられるもののはずだったのに

綱吉君の全てを、僕だけが知るはずだったのに

あの男がいるせいで、綱吉君は僕だけを愛せなくなってしまった。

――全て、あの男がいるから悪いんですよ…

今、僕の目の前で、綱吉君があの男に向かって笑顔を向けている。その事さえも僕を不快にさせる。

どうすれば、あの男を綱吉君から引き離す事ができるのでしょうか。

どうすれば、綱吉君を僕だけのものにできるのでしょうか。

そう考えていると、僕の頭に1つの考えが浮かびました。

「……良い事を思い付きました…」

――綱吉君の目の前で

あの男を出来るだけ 

酷く、酷く

痛め付けて

綱吉君にあの男の醜態を見せ付けてあげましょう………


その後は

あの男を消してしまえばいい…


綱吉君が

あの男を忘れ去るように

僕だけしか見れないように……

「クフ…。そうと決まれば事は早めに起こしましょうか…」

僕は目の前の二人に目を向けながら、そう、呟いた。



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