ツナ受け
□「前だけを見て」それは、叶わぬ事かもしれない...
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「綱吉君は、どうしてそんなに強いのですか?」
前に、僕はそう彼に尋ねたことがある。
するとその時、綱吉君は少しむくれたような顔をして、僕の方を見たんでしたっけ。
「何言ってんの?オレより骸の方が強いじゃんか」
「いいえ…。君は僕なんかよりもずっと強いですよ。強くなければ、こんな世界で、そして、こんな毎日の中で日々を過ごすだなんて出来ませんからね」
すると、彼は少し驚いたような顔をして、そして、笑みを浮かべてこう話してくれましたよね…。
「オレ思うんだけどさ、何をやったって、どんな気持ちだったってどうせ明日が来るんだったら、過ぎた事はあんまり悩まないほうが良いと思うんだよね。
今日、どんなに大きな失敗をしたとしても、どんなに多くの間違いをやっちゃったとしても、時間は勝手に過ぎていく。
自分がどんなに明日が来ないでほしいと願っても、明日は絶対やってくる。
それだったら
オレは前だけを見ていようと思ってるんだ。後ろを振り返ったりしない……きっと、明日はいい日になる。そう信じて毎日を過ごしてる」
……あぁ。綱吉君はだからこんな毎日でも過ごしていけるのですね……
「だから」
言葉をいったん止めた綱吉君が僕の方を見て、そして
「骸も、ずっと前だけを見ていてね。どんな事が起こったとしても…絶対に……」
と。とても、とても綺麗な笑みをたたえながら僕にそう言ってくれましたよね…
それと同時に、何処か哀しそうな綱吉君の顔がそこにあったんでしたっけ…。
…その翌日の事でした。
彼が
帰らぬ人となったのは。
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