ツナ受け
□ツタエラレナイ オモイ
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──確かに─
僕は、君を
愛してた。──
──吸い込まれるようなその瞳に、小鳥の歌声みたいなその声に、愛らしさを放つ、その小さな身体に
─全てを包み込んでくれる、その、純粋な心に──。
──君の、全てに、僕は
魅了され
君の事だけを愛してた──。
愛しくて愛しくて。
壊さないように必死になりながら、僕は
君の事だけを愛し続けてた。
──君の存在が僕の全てで、
君の存在が僕の生きる理由だった。
──だけど─…
…─だけど──
その愛を捧げる君は
もう、イナイ────。
──目の前に在るのは
君であって、君でないのだから…。
──赤見を亡くしたその身体と…
開く事の亡くなったその瞳──
温もりも、表情も、
何も、かも……
───亡くなった。
戻らない。
君自身──
「ツ、ナ…ヨシッ…!」
──僕はこの先、いったい何を理由に生きていけばいいと言うの───?…
──何を理由に
こんな汚れた世界を生きていけと言うの──?
「ねぇ…、、、目を開けなよ……」
そっと…横たわる綱吉の頬を指でなぞりながらささやいた。
「ねぇ…!綱吉…!…」
ピクリともしない、そのカラダに──
何度も、何度も、
呼び掛けた──。
──“還ってこない”。
そんなことは解ってる…。
解ってる…。だけど…
認めたくなんて、ないから──…!…
「綱吉…」
──僕を残して逝かないで。
「綱吉…!…」
僕を残して消えないで。
「綱…吉っ…!…」
僕を残して、散らないで───。
亡骸に、何を言ってもトドカナイ──
何を言ってもツタワラナイ───
──愛しているのに、愛してたのに──…
──ツタエラレナくなった、コノ オモイ──
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