■拍手ありがとうございます!!

■この話は『日常ぼかろシリーズ』第1話『Sing so Ring』のリメイクであり、リベンジ話です(・∀・)

あまりにキャラが違い過ぎて、シリーズのリンレンじゃないみたい(|| ゜Д゜)!!

と、勝手に悔しく思いリメイクしてみましたww

どう違うのか…良ければ、比べて見て下さい(*^_^*)


***************************



さて、オレは今困ってる。

目の前には白いリボンを頭の上にピンと張らせた、黄色頭のオレの片割れが、背中を向けて座っている。

「おい、リン!!」

「…」


オレの呼び掛けに、頬を膨らませてそっぽを向く。

さっきからこの調子だ。

正直、原因がよく解らない。

思い当たる節と言えば、今日オレがミク姉と出掛けてた事くらいだけど。

次のデュエット曲の打ち合わせで、練習もかねてた訳だし、だからまぁ遅くもなった訳だけど…。

そんなのたまにある事だし、それが理由とは思えない…

その時、オレの脳裏にある言葉が浮かんだ。

…!?も、もしかして!!

これはアレか!?世に言う…
フラグが立つ現象なのか!?

つ、つまり…ヤキモチってヤツなのか!?

えっ!?リンが??オレに!?

いや、いやいや待て!!

冷静になるんだ、オレ!!

相手はリンだぞ!?

恋??何それおいしいの??
とか、本気で聞いてきそうなヤツだぞ!!

そんなリンが、まさか!?

そう思いつつ、リンの小さな背中を見つめると、相変わらず剥れたままの姿に淡い期待が宿る。

もしもヤキモチだとしたら…!!

そんな剥れた顔すら可愛いとか…あーオレはバカか!!

これ以上、一人で考えてても埒があかない!!

頭の中の暴走を落ち着かせる様に、ひとつため息を吐くと口を開く。

「リン、いい加減機嫌直せよー。
何怒ってんだ??」


出来るだけ声を落ち着かせて問い掛ける。


「機嫌なんて悪くないもん!」


だけど聞いた所で、意地になったリンが答えてくれる筈もなく。

いい加減困ってきたオレは、頭を掻きながら、小さな背中にまた疑問を投げ掛ける。


「オレがミク姉と一緒に出掛けたから、怒ってんのか!?」


焦りがほんの少し苛立ちを呼び、少し声が大きくなり、思わぬ事を聞いてしまった。

何、聞いちゃってんのオレ!?

言った後で、自分の言葉に恥ずかしくなる。

いや、だから!!そんな訳ねーじゃん!!


「……そうだよっ!!」


しかし返って来た答えはあまりに意外すぎて、オレは目を見開いた。

ま…まさか…!!
じゃあ…本当にヤキモチなのか!?

ほんの少し振り返ったリンの目は、少し潤んで見えて、勝手に胸が高鳴った。


「リン…」

「だって!!」


オレが何かを言おうとすると、リンの言葉がそれを遮る。

今にも泣き出しそうにリンは声を上げた。


「だって二人で、ケーキの美味しいお店に行っちゃうからだよ!!」


「…………はい?」


今…この子何て言いました??

耳を疑うオレに追い討ちをかけるべく、リンは更に声を上げる。


「二人だけケーキ食べるなんてズルいー!!!!」


オレの中に何本か立ったフラグが、ドミノの如く崩れる音がした。


「リンもあのお店のケーキ食べたかったぁ!!」


ケーキケーキケーキ…


「って、食い物かよー!!!!」


オレは耐えきれずに、思わず声を上げた。


「そうだよ!!それ以外、何があるのぉ!?」


えーそうですね!!その通りですよーあーチクショー!!

何これ!?ちょっとオレ可哀想じゃね??

勘違いですか、そうですか!!

リンに何かを期待したオレが間違いでした…

ぶつける言葉はただの負け惜しみになりそうで、オレは額を抑えると深い溜め息を吐いた。


「何そのため息ぃ!!ため息吐きたいのは、リンの方なんだから!!」


また頬を膨らめる片割れに、オレは手に持っていた白い箱をつき出す。


「ほら。」


文句を言うのに必死で、オレの左手のそれにまったく気付かなかったリンは目を丸くした。


「リンが食べたかったの、コレだろ?」

「えっ!?」


オレの言葉にリンの目が、爛々と輝きを増す。

あー…何か悔しいくらいに、分かりやすいよな…本当に。

オレはため息混じりに言う。


「リンの好きなミカンが乗った、ケーキだけど…いらないよな?」

「さすがレン!!」


こちらの意地悪な言い方など、気にする様子もなく、リンはオレに飛び付いてきた。


「だぁー!!ケーキが崩れるだろ!!」



突然抱き付かれ、オレの頬は一気に熱くなって慌てふためく。


「ありがとうレン!!大好き!!」


抱き付きながら、さっきとはうって変わった晴れやかな笑顔を間近で見せられ、オレの心臓は更に動きを早める。


「あーもう!!分かったから、早く食べろよ!!」


もう耐えきれんとばかりにその体を引き離すと、リンに箱を押し付けた。

リンはうんと元気よく返事をして、機嫌良く箱を開けると、それを見て嬉しそうに手を合わす。

さっきの怒りなんて嘘みたいに、リンは幸せそうにケーキを口に入れて目を瞑った。

あまりにも旨そうに食べるので、思わずオレはそんなリンを見て小さく笑う。


「たくっ。リンの食べ物の恨みは怖いな。」


笑いながら言うと、そんなオレを見てまたリンは口を尖らす。


「リン、まだ怒ってるんだからね!!」


さっきまで至福の笑顔を見せてた奴が、何を言い出すか…。


「はぁ?まだ足りないのか??」

「ちがーうもん!!」


いよいよなんの事か分からずに、オレは眉を寄せて首を傾げる。

するとリンはまた頬を膨らめて、ケーキを下に置いた。


「やーっぱりレンは、リンとの約束忘れてるー!!」


不満げな声でそう言われて、オレはより眉を寄せる。


「約束って、このケーキ食べようって事じゃないのかよ?」

「それもそうだけど、それだけじゃないもん!!」


オレの問い掛けにリンは首を横に大きく振る。


「リンはレンと一緒に食べたかったんだもん!!」


その言葉に、オレは目を丸くした。

このケーキはメイコ姉が前に教えてくれて、リンと今度一緒に行こうと約束した。

だからリンはケーキが食べたいんだと思って、買って来たんだけど…


「一緒にお出掛けして、一緒に食べたらもっともっと美味しいのにな!!」


リンはそう言って、少しだけ寂しそうに眉を下げる。

一度冷めたはずの頬が、また熱くなって思わず口元を抑えて目を反らす。

つまり…あながち、ヤキモチ妬いてなくも無いって事だよな。

うわ…ヤバい…オレ予想以上に嬉しいみたいだ…。


「……じゃ、じゃあ、今度連れてってやるよ。」


そんな自分を悟られるのは非常に悔しいので、ぶっきらぼうに言いながら横目でリンを見る。

リンはその一言で剥れていた顔に、また笑顔の花が咲く。


「本当に!?」

「本当だよ。」


オレの返事を聞くと、嬉しそうにニッと歯を見せて笑った。


「じゃあ!!許してあげる!!」


ふんとアゴを上げて、得意気にそう言う姿に顔が緩む。


本当にコイツには、敵わない。

こんな些細なヤキモチもどきに、幸せにさせられるなんて…

解ってないんだろうけど。
一緒にいたいのはこっちの台詞だからな。

…まぁ、解ってないくらいがリンらしいんだけど。





〜Fin〜


***************************


*あとがき*

■如何でしたでしょうか??

第一話の名残はいったい…ってくらいの違いと、変わらない部分を楽しんで頂けたら幸いです!!

詳しい違いの語りは、長くなりそうなので日記の方にて(・∀・)!!ww

拍手本当にありがとうございます!!

これからも頑張りますヾ(^▽^)ノ

up 2011.6.29


よければ一言下さると嬉しいです!!



[TOPへ]
[カスタマイズ]

©フォレストページ