獄ハル

□標的231.5
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―標的231.5―


        up 2009.3.5



ツナさん達に連れられてハルは、10年後の自分の家に帰りました。

自分の家だというのに何だか不思議な感覚で、不安よりも逆にハルには安心感が生まれました。

だってハルの帰る場所はここじゃないと再認識出来ましたから!!


それに…。

ハルは後ろにいるツナさんの顔をチラッと見ました。
こんな時に不謹慎と言われようと、10年後とはいえハルの部屋にツナさんがいるなんて!
も〜困りますぅ!!!

はひっ!!そう言えば10年後ともなればハルとツナさんは、恋人同志になっててもおかしくないはずですよね!!

もしかしてこの部屋で…
キャー!!!


「ねぇハル?」

「は、はひっ!!?」


妄想を巡らしていた頭に、急にツナさんの声が聞こえて飛び上がる程に驚きました。


「な、なんですか!?」

「そろそろ行く?」

「あっ!はい!そうですね!」


立ち上がると、ツナさんとビアンキさんの後に続いて外へ出ます。
そこで重要な事に気が付いたのです。

はひっ!!?もし恋人同志でしたら、写真とかあるんじゃないでしょうか!?

でも、部屋にはそんなもの見当たりませんでしたけど…。


―――!?
なんで気付かなかったのでしょう!!
ハルは毎晩ツナさんの夢が見れるように枕の下に写真を入れてますのに!!

って事はこの時代だってそこにあるんじゃ…!!?


「す、すみません!!!
ハル忘れ物しましたので、ちょっとここで待ってて下さい!!」


そう2人に告げると、ハルは足早に部屋に戻りました。


そしてドキドキ高鳴る胸を抑えながら、そっと枕に手を伸ばします。

あ〜10年後何てハルはどんな女性になって、ツナさんはどんなかっこいい大人の男性になってるか、見ちゃっていいんでしょうか!?
10年待ちましょうか?

い〜え!!待てません!!!

誘惑に誘われるがまま目を瞑って勢いよく枕を持ち上げます。

唾を飲み込みながら、薄目を開けてそこを見るとそこには確かに写真があるじゃありませんか!!!

そこには確かに2人の人物が写し出されております。

は、はひぃ!!!!
これはまさかの、まさかじゃありませんかっ!!!?

もう一度唾を飲み込んで、目をまた瞑ります。
あまりにドキドキしすぎる心を落ち着かせてからそれに手を伸ばし――――。


「ハル?大丈夫?」

「はひぃ!!!!」


心臓が飛び出たんじゃないかってくらいに驚きました!!


「ど、どうしたの?」


ハルのあまりの叫びっぷりに、ツナさんが目を丸くさせております。


「な、な、な、何でもありません!!」

「そ、そう?じゃあみんなも待ってるし行こうよ。」

「は、はい!!」


必死に笑顔を作るハルを見て、不思議そうな顔でツナさんは玄関の方へ向き直しました。
ハルはまた大きく深呼吸してその後を追います。


驚いた勢いで写真をスカートのポケットに入れたまま―――。



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