OTHER STORY

□Not continue.
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      up 2010.4.18


「お前ら、双子なのに仲良過ぎ!
気持ちわりー!!」


男友達が笑いながら、冗談混じりでそう言った。

容赦無い言葉はナイフの様に…



オレ達を切り裂いた。



あの日から、リンとの登校を止めた。遊ぶのも少なくした。

一緒にいる時間を減らした。

リンの前で笑えなくなった。



あんな言葉なんて無視すればいいと思う。

オレ達が2人でいる事が悪い事だとは思わない。


だけど周りは違うんだ。

そしてその言葉はひどくオレ達を傷つける。


オレの所為で、リンが嫌な言い方をされるのは耐えられないんだ。


何よりも、オレは…

リンを姉としてもう見れない。


中学に上がって分かれた部屋。
それでも夜までいつも一緒に遊んで、一緒のベッドで寝てた。

手だって繋ぐし、腕だって組む。


リンが屈託なく無邪気に、何も思わずにする行為。


その度に高鳴る鼓動、熱くなる顔。

そして君を求めるオレ。


自制心と罪悪感と虚無感。

心が捻曲がりそうなんだ。


だからもう、ただ一緒になんていられない。



部屋のベッドに寝転がって目を閉じると、思い出す。

ただ無邪気に昔した小さな約束。

『ずっと一緒にいてね!』
『うん!オレがリンを幸せにするよ!』

それからずっと…リンを幸せにするのは、オレだと思ってた。


でも、もうオレにはリンを幸せに出来ない。


笑顔より、泣き顔しか思い出せなくなったら終わりだ。


軽率に冷めた態度が、少しづつ君を歪ませた。


そう…そうやって

オレと共に君も壊れていくんだ。


理性があれば動けないだろ…?


静かに扉が開かれる。

口元だけ笑うリンがそこにいた。


「なんだよ、リン?」

「ねぇ、レン大好きだよ!」


狂気に歪むその言葉。


オレも大好きだよ…リン。


あぁ、やっと来てくれたんだね。

背中の後ろに隠した、鋭いナイフで…


…―――そう、全部壊してしまえばいいんだ。


君の手で。


君と幸せになるストーリーを見つけられない

続けられない

オレなんて。


堕ちるトコまで堕ちてしまおう。


そしたら其処で、
ねぇ
また笑いあえるさ。





〜fin〜


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