Birthday Event

□ムジャキな天使たち
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―HAPPY BIRTHDAY to Lancia―




「ランチア〜あそぼぉー!」

「ランチアさぁーん!!」


街を歩くオレの足にドンッと2人の子供が勢い良く抱きついてきた。


「なんだぁーまぁたお前たちか!?」


そう言い頭をガシガシとなでてやると、キャッキャッと喜んでいる。


「本当にお前は子供に人気だなっ!」


一緒にいたファミリーの者に言われるくらいオレはなぜか子供になつかれる。
たぶん寄って来ればかまってやってるからだ。
別に嫌ではないのでいいのだが…。



「こっち来いよ〜!!」

「行こー行こー!!」


グイグイと片腕をひっぱられる。


「わかった!行くから待てっ!」


一緒にいたヤツらに手をあげて後で行くと合図するとオレは半強制的に子供たちに連れて行かれた。


「ここだょっ!」

「入って、入ってぇ!」


そう言って招かれたそこは子供たちが秘密基地と呼ぶ小さな廃墟だった。
いつもは中に入れてはくれないのだが、どうやら今日は入れてくれるようだ。


「じゃあお邪魔する。」


そう言いボロボロになった扉を開け中へ一歩足を踏み入れると。






――パンッ!パァンッ!



大きな音が左右から放たれる。

銃声かっ!?

反射的に身構え周りを見ると――


色とりどりの紙テープがオレにかかった。


これは…クラッカー?


すると大声で


「せーの!!」




「「Buon conpleanno!!Lancia!!(お誕生日おめでとう!ランチア!)」」





そうそこに集まった10人くらいの子供たちがいっせいに声をあげた。


そうか今日は12月15日…オレの誕生日だったのか!?


「いつも遊んでくれてぁりがとうなっ!!」


「だからこれは私たちからのプレゼントよ!!」


その言葉でオレの周りに集まってきた。そして目の前に少しいびつなチョコレートケーキが置かれた。


「オレの為に作ってくれたのか?」




「「うん!」」




子供たちはムジャキな笑顔でいっせいにそう言った。
思ってもない祝福にうれしすぎぎて顔がほころぶ。


「ありがとうな!」


そうオレが笑うと子供たちはわぁわぁとはしゃいで喜んだ。


子供たちに好かれるオレはどうやら幸せもんらしい。


〜Fin〜





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