Season Event

□Bitter & Sweet #16
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― Bitter & Sweet #16 ―

         up 2010.2.14



「ツナさん!!」


2時限目が終わった途端、待ってましたと言わんばかりにハルが10代目に声をかける。

隣のクラスだつーのに、わざわざ来て相変わらずうるさい声は席が離れてるオレの方まで響く。

お陰でかったるい授業の延長で寝てたつーのに、目が覚める。
顔は伏せたまま目だけでそっちを見た。


「ハッピーバレンタインです!!」


と、まぁ嬉しそうにピンクの包装紙に包まれた箱を10代目に渡した。


「ありがとう!ハル!!」


10代目はお優しいから、そんなハルにも笑顔で受け取る。
つーか10代目には、笹川つー彼女がいるのにまだ渡すのかよ。

何だか無性にイライラして、見ないように寝たフリを続けた。


「山本さんもどうぞ!」

「おっ!わりぃーのな!!」


軽いノリでわりと嬉しそうな山本の声に余計に苛つく。
なんであんな野球バカにまでやんだよ!?

てか、お前周りを少しは気にしやがれ!!

バレンタインってだけで、無駄に期待するバカな野郎共がさっきからてめぇ見てんだよ!!

少しは自覚しやがれ!!

お前モテんだよっ!!

アホでうるさくて、訳解んねーのに…そこが天然でカワイイとか…ふざけんなよ。野郎共が!!

あー、そーだよ!!
確かにオレは彼氏じゃねー!!
そんなん言う資格ねー事くらい、解ってんだよ!!

けど、イライラすんだよ!!

あー!!やってらんねー!!

何も言わずに立ち上がると、ハルには目を向けずに教室を出た。





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