楔〜恋人岬〜
□†第1章:二人の間には、いつも
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第1章
二人の間には、いつも
〜時を越えた絆〜
真っ青な空と海。
一人の少女の姿が見えた。
一体、誰だろう?
見知らぬ相手は、手塚に何かを囁く。
『オモイダシテ。』
_______・・・何を?
『ワタシヲ、オモイダシテ。』
________誰なんだ・・・!?
どこからともなく吹いてきた風が
少女の長い黒髪を揺らした。
『オネガイ。』
________・・・・!?
少女は、髪をかきあげた。
その瞬間
放たれた銀色の光が、眩しく感じて
手塚は、目を開けていられなかった。
『ハヤク、ワタシヲミツケテ___。』
眩しさに耐えきれなかった瞼を
無理矢理こじあけた。
しかし・・・
少女は、背を向けて歩き出す。
「待ってくれ・・・!
おまえは、一体
誰なんだ!?」
問いかけには一切、こたえず
少女は消えてしまった。
目の前に広がる
真っ青な海へ吸い込まれるように・・・。