僕らの恋心


□新たな寮生活
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***

ここは拓真達の通う鈷丘秦高校の寮である。


この寮は全校生徒の約8割が利用しているのだが、だいぶ昔からあためあちらこちらが老朽化してしまっていた。

このままでは安全ではないので、新学期を迎えるにあたって古かった寮を改築したのである。



「ここか…」

そんな新しくなった寮の自分の部屋の前に、“鈴木拓真”は立っていた。

彼はこの寮を利用していたが、改築するということで、冬休みの間だけは両親のいる実家へと里帰りをしていたのであった。

そして本日新学期を迎え、始業式などが終り、真新しい寮へと自分の部屋を探しに来ていたのであった。


「509号室…やっと見つけた。改築なんてしたら部屋の位置とか変わってて、どこに何があるかなんてわかんねぇっつうの…」

ぶつぶつ文句を言いながら部屋のドアを開けた。

窓からさす光で照らされた部屋は微かに木のいい香がしている。 

「さすがに改築しただけあって木の香がするな…前よりは広くなった気もするし」

そう言って二つあるベットのうちの一つに荷物を置く。

改築前の部屋割りは同じクラスの人とだったが、改築を気に違うクラス混合になってしまったのだ。

「ルームメイトは…まだ来てないみたいだな。てか部屋割りまで変えるコトねーのにな…」

そう言ってベットに寝そべる。
ベットは程よい柔らかさで、布団がふわふわする。

「…ふぁ…っ…ねみっ…」

朝早くから新幹線に揺られ、駅から学校まで歩き、学校に着くやいなや輝と刹那が喧嘩をし、始業式では校長が長ったらしい話をしたりと、拓真は疲れていた。

「……ちょっと寝るか…」

ベットの上でうとうととし始める拓真。

すると――


「「拓真ーッ!!!」」

ものすごい勢いで二人の少年――“瀬川 輝”と“琥破 刹那”が部屋へと入り込んできた。

「……はぁ…なんなんだよ」

拓真はムクリと起き上がり溜息をついた。

「拓真聞いてよ!! 僕のルームメイトがこの銀髪頭だったんだよ!? 最悪だよぉ!!!」

そう言いながら拓真に抱き着く刹那。

「それはこっちの台詞だっつの!! まさか琥破と同じ部屋なんて…有り得ねー! しかもさりげなく拓真に抱き着ついてんなー!!」 

拓真は、ぎゃあぎゃあ騒いでいる二人を見て再び大きな溜息をついた。

どうやら輝と刹那は部屋が同じになってしまったらしい。




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