僕らの恋心


□ライバル登場の予感…?
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ついこの間までは、肌寒さを感じ登校していた通学路も今ではすっかり春の陽気へと変わりつつあった。通学路に並ぶ桜も蕾を膨らませ春の訪れを待ち侘びているようであった。

そんな通学路を一人の男子生徒が歩いていた。

――彼の名前は“鈴木拓真”
美しい黒の髪が歩く度に微かに揺れ、それとは対象的な紅蓮の瞳が桜の蕾を見つめていた。

「春が近いとはいえ、流石に朝はまだ冷えるな…」

と独り言を言いつつブルりと体を震わせ、マフラーに首を押し付けた。

彼の通う学校には寮がある。

もちろん拓真も寮に入っていたが冬休みの間だけ両親のいる実家へと里帰りをしていたのだった。

そして今日から新学期なので
拓真は歩いて学校へ歩いて向かっていたのであった。

学校に着き校門をくぐる。
すると―――

「拓真、久しぶりッ」

と声をかけられた。

「久しぶりだな輝」

拓真にとって1番大切な存在であると拓真の恋人――

“瀬川輝”に微笑みを向けた。

「拓真に会えない冬休みは、俺にとって地獄の日々だったよ…」

「仕方ないだろ…母さんが帰って来いってうるさかったんだから」

「まぁ拓ママは怖いし、言うコトは聞かなきゃだしな」

「…お前は俺の母さんに会ったことねーだろが」

とたわいのない会話をしながら
二人は教室へと向かった。



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