詩 想い 心

□獣道
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『握り締めた』

はじめに手をとったのは
友情からか 同情からか
それでも 今はそう
握り締めたこの手を
離せないよ

差し延べられた
無数の手は
優しさが満ち溢れていた

それでも俺は
その手を掴めない
俺の両手は汚れているから

それでも君は
手を差し出したまま
ついには俺の手を掴み
握り締めてくれた

握り返す勇気も無くて

戸惑う俺
君には言葉を送るしか
出来ないのに
君はそれを認めてくれる
ゆっくりでも
歩めば良いと
手を引いてくれた

何時からだろう?
握り締めてくる
君の手を
握り返す様になったのは

今はもう
握り締めたこの手を
離せないよ

君の手を
強く握り締めよう
君が遠くへ行かない様に
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