詩 想い 心

□赤色の石
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『真実よりも』

振り返れば 住み慣れた部屋
残されるものは 空気と記憶
住む者が消えれば
クリーニングされて
生きた明かしは残らない

約束はなぜ
他愛なく 簡単に
やぶられてしまうのだろう
気まぐれな 風のように

部屋の扉を きつく閉めても
想い出たちを
閉じ込められない

消せない過去と
消せない罪と
共に生きるのだから
逃げ場などどこにも
ありはしないのに

あなたのことが
大切だってわかってるのに
何も出来なかった
溢れ出すのは涙だけ

愚かで悲しい
自分のすべてに
後悔しか残らない

先へと進むこと
怖くはないよ
だけど泣きたい

知らずにいれば
幸せだった
真実よりも
あなたが欲しかった
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