夢路の章
□story2 〜夢路〜
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夢路:「ん〜〜〜〜〜
わっ!!」
はぁ……はぁ……
やっと悪夢から醒めた。
うっ…
夢路は胸にこみ上げたものを感じると、
すぐさま洗面所に駆け込んだ。
うぇ………
血の混ざった嘔吐。
気分が悪い。
ここんとこずっとこんな夢ばっかだ…。
思い出したくない。
今日私が見た夢は
私が蝶になって、
4人のヒトを枕で殴り殺す夢。
それにもう一人…
クライシス:「どうした!?
また吐いたのか!?」
歯ブラシを口にくわえて、眠たそうな目を擦りながらクライシスが洗面所に現れた。
夢路:「く…クライシス!!!!」
夢路はガバッとクライシスに飛びつき、
クライシスの寝間着に顔を埋める。
クライシス:「どうしたんだ夢路。
また怖い夢でも見たのか!?」
コクリと首を動かした夢路に、クライシスはにっこりと微笑んで
クライシス:「大丈夫だよ。何があっても、兄ちゃんがついてるからな!!」
…良かった。
いつものクライシスだ。
あの時、人を何かの能力で粉々にしたクライシスが頭をよぎったが、
今目の前にいるのは本物の優しいクライシスだ。
ほっと息をついてクライシスを見上げる。
クライシスは髪クシャリと撫でて手を取ると、
夢路を引き連れてリビングに赴いた。
良い薫りが鼻を擽る。
引き立ての珈琲だろうか、
9人掛けの円卓に6人分並べられていた。
キッチンでは忙しくイレイスが朝ご飯の支度をしている。
イレイス:「おっはよー夢路!!
とクライシス!!」
クライシス:「ついでか!?」
夢路:「おはよう。
朝ご飯美味しそうな匂いしてるね!!」
イレイス:「でしょ!!
今日は珍しくグラフティが手伝ってくれたんだ!!」
グラフティ:「いや俺珈琲入れただけだし…」
照れたように言うグラフティ。
夢路:「あ、おはようグラフティ!!」
クライシス:「グラフティの珈琲…ありえない。」
グラフティ:「何が有り得ねぇんだよ!!」
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