アランの章2
□story7 〜陰獣 蟹〜
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ん!?
あれ!?
ここどこだ!?
真っ暗で何も見えない…
身動きすらとれない…
なんだこの感触。
泥!?
くそ…何がなんだかわからないが、
取りあえずここから抜け出さねば!!
手をぐっと持ち上げる。
すると、すんなりと箱は開いた。
暗闇に差す一筋の光。
それは、老朽化し
チカチカと瞬きのように点滅する蛍光灯の光だった。
アラン:「くそ…記憶が飛んでる。」
アランはこの数日を指でなぞるように思い返した。
たしか、協会から抜け出して
コトヤや、オペックと再会し…
コトヤは絵の中に潜り込んだ。
その後何か事件があって…
なんだったっけ!?
お!?壁の向こうから何か聞こえる…
(TVの音):『え〜、こちら現場のコヤマです!!ご覧のように、ここヨークシン中心街では【無差別大量殺人】の騒ぎで混乱しております!!
只今、犯人のアラン=テラン(19)を全国指名手配中!!
繰り返します!!
アラン=テラン(19)を全国指名手配中!!』
アラン:「な、なんだって!?」
そして、TVに混じって人の声がうっすらと聞こえる。
組員:「こんなやべぇ奴を人質に取ったのかよ…」
組員:「生かしておいたらマズいんじゃねぇの!?」
組員:「よし。寝てる間にさっさと殺っちまうか!!」
アラン:「…逃げよ。」
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