詩
□未来
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ふと、通り行く人々を見た
この人たちは、何を目指して
歩いているのだろうか？
私達に『先』が見えるだろうか
一秒後 スーツを着た会社員がくしゃみをして
二秒後 杖をついた老人が自転車に轢かれそうになって
三秒後 目の前で雀が飛び立って
四秒後 ティッシュが目の前に差し出され
五秒後 私はそのティッシュを貰う
こんなことを 予測できるだろうか
出来なくて『運命』で決まっているのだと思う
会社員がくしゃみをすることも
自転車が老人を轢きそうになるのも
雀も、ティッシュも、私も……
皆それぞれの『運命』が決まっていて
その運命が『先』を辿る
未来は自分で手に入れるとか言うけど
手に入れるも何も、全部決まってる
先が見えないから、手に入れるとか言ってられるんだ
右と左
右に進みたいけど それが決められた運命ならば、と
左へ進む
『運命通りに進むことを避けて左へ進む』
それが正しい『運命』だったら？
キリがない……
この世に未来なんて存在しない
あるのは、 現在 か 未来 だけ―