ろんぐ

□れっつごーしょっぴんぐ!
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まさかこんなにも早く日番谷隊長と
買い物に行くハメになるなんて夢にも思っていませんでした

とゆーか絶対行きたくない!





「おい、何してんだよ」

「えっ…あ、うん」

「はあ…置いてくぞ」

置いてくってあなた…置いていっても結構ですが
初めての土地であなたどうするんですか

と言いたいけどもそんな事言えるわけもなく、急いで準備してしまう私

「隊長ーっ!準備できました」

「おせえ、行くぞ」

どこまでも仕切る日番谷隊長

「んで…どこに行くの?」

「…………」

「…………ん?どうしたの?」

「…………教科書買う」

何、この間

「じゃ…じゃあ、街の方の本屋行こうか!…で、どこの高校通うの?」

「あ?お前と同じとこに決まってんだろ」

決まってるってちょっと、隊長

「そ…そっか……」

……鬱です、もう毎日一緒ですか、24時間あなたと一緒だなんて息が詰まります

「そんなに嫌かよ」

「ま…まさかあ〜、嬉しいよ、うん、すごい嬉しい」

ようやくあの重苦しい雰囲気がなくなり
無事仲直り(?)したのに、こんなところでまた隊長の機嫌を損ねたら大変な事になるので
出来る限りの笑顔で日番谷隊長を見つめた

「……………お前……

…その顔すげえ不細工だな」


「……………バスの時間が迫ってます、早く行きましょう」



真顔で言われると、仮にも年頃の女の子
結構傷つくんですよ、日番谷隊長



それから私たちは無言でバス停まで歩くと


「おい」

日番谷隊長がいきなり話かけてきた

「なあんですか〜…」

「お前さっきの気にしてんのかよ」

「なあんですか〜…」

「…不細工って言った事」

「……気にしてないですよ」

「…へえ」

もう、触れないで下さい
私ナーバスなんですよ、恋に敗れ、居候に部屋を占領された揚げ句にブサイク呼ばわり

さすがに私だってちょっと怒っちゃいますよ



やや不機嫌になった私は一人でズカズカ歩いていると

「おい」

「……」

「おい、無視すんな」

そう言って隊長は私の肩をポンポンとたたき出すので

「〜っ!なんですか!」

イライラした私はおもいっきり
隊長の方を振り向くと

むにっと
隊長の人差し指が私の頬に埋もれていた

「ばーか」

「な…何をーっ!」

「こうも簡単に引っかかるとは思わなかった」

そう言った日番谷隊長の顔はうっすら笑っていて
ちょっと、…ほんのちょっとだけ見惚れてしまった

「やめてください」

「変な敬語やめろって言ったろ」

あろうことかそのまま隊長は私の頬をおもいっきりつねるというか、ちぎれるくらい360度回そうとした

「い゙だい゙、い゙だい゙、い゙だい゙!わかったから!わかったから!やめてぇぇえ!」

「ああ」

ようやく離してくれた時には私の頬はジンジンしていた
…きっと真っ赤なんだろうな

「…痛い……」

「腫れてるぞ」

「誰がそうしたのさ…」

「ま、俺の前で作り笑いをするなんて100年早いんだよ」

「…もしかしてそれを言う為だけにここまで…?」

「さあな、おら、行くぞ」

「い゙だっ!」

そして私のケツを軽く蹴ると満足そうな顔をして先に歩いていった


「あ、日番谷隊長その信号右へ」

「ああ」

「日番谷隊長、その角を左に」

「ああ」

「あそこに見えるのがバス停ね」

「見ればわかる」

「……」

何故かさっきとは逆で
後ろを歩いていたはずの隊長が前を歩き、
私は道を知らない隊長のために後ろからナビゲーション


…これじゃあ本当の隊長と部下じゃん


そんなこんなでバスには無事に乗れ、街についたので下車し、歩きながら、案内をしようと隊長の方を振り返ると

「隊長、あそこにあるのが………ってアレ?!?!」

隊長はいなかった

というより視界から消えた

街だけあって人はたくさん
人より身長が…ひ…低めの隊長は人混みで埋もれてしまって、完全に見えなかった


「…………」

嫌な汗が流れた



私たちは買い物に行く事でさえ
一筋縄ではいかないようです






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