ろんぐ
□悔恨記念日
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誰もいないはずの放課後の校門前に私は彼氏の吉良君に呼び出された
「どうしたのっ?こんなところに呼び出して」
私は出来る限り可愛く言った
彼氏の前くらい、可愛くいたいしね☆
「…君に話があるんだ」
なんだろう…
もしかして…結婚を前提にお付き合いをして欲しいとかかしら
ああ、もうだめ、こんな時にも妄想が…止まらない
「なあに??」
さあ、カモン、ヘイ、カモン私の未来の旦那様
「もう、終りにしないか、僕達」
……あれ?
「ちょ…吉良君…どういう…」
「そのままだよ、もう…君に燃えないんだ…」
何?燃えない?ん?なに?
「…え………」
「今までありがとう、さようなら」
そう言って吉良君は、去っていった…
「私…フラれたの……?」
…私の初カレ…まさか2ヶ月で…フラれるなんて…
「見るからにそうだろ」
ええ…、そうね、あなたもそう思うのね
…ん??…あれ?君
「だれェェェエ?!」
気がつくと私の前には
ちょっと小さめの銀髪の美少年が
キャリーを引きながら立っていた
「お前、ダサいな」
…はい??
「君、高校生をナメるんじゃないよ」
「お前もな」
なんだこの減らず口の塊のガキが
私は今悲しみのどん底なんだよ
フラれたんだよ
「……はあ…、お姉ちゃん忙しいの、こんな遅いし、お家に帰らないとお母さん心配しちゃうよ、ホラ、帰りなさい」
「…てめえ………、さっきからナメやがって…」
あ、怒った
まあ、恨まないでくれ、美少年
私の機嫌がよかったら、可愛いがってあげただろうに。
「ごめんね、少年、今度遊んであげるからね」
そうしてチャリに跨がって
私は家に帰った
「………あいつ……許さねえ」
さっきの少年の声が遠くから聞こえた気がした
私はこの日の対応を一生悔やむ事になる
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