main

□沢田家康の憂鬱
1ページ/1ページ

 



私はもううんざりだ。
毎日毎日贈られるこの包装紙の山、山、山。
一体どこにそんな金があるというんだ。どうして皆質素に生活しない?

コレは雲だ。コレは霧だ。コレは嵐だ。コレは・・・。

ああ、私は守護者選び間違ったのだろうか。
ボンゴレのため、あの大切な街のために死力を尽くした仲間達。
一体どこでどうして、私のファンになったというんだろうか。

新しいのが来た。
コレは、・・・二世。仕事してくれ二世。
私は静かに日本で隠居生活を送るはずが・・・

電話だ。
・・なんだ二世、今お前のプレゼントが届いたぞ。
よくもまあ飽きもせず毎日毎日・・・いい加減にしたらどうだ?そんな資金どこから捻出してるんだ?

・・・ああ、お前最近南イタリアを仕切ってるみたいだな・・・。
そんなに広げなくても、私はあの街や人々を守ってくれれば・・・ん?
いやまだ開けてないぞ。え、今開けるのか?
ああ、わかったわかった。開けるぞ。全く、無駄に煌びやかだな。お前も質素に生活したらどうだ二世。
・・・あああっ!?おま、おまっコレ、かの○戸光圀公の印籠ではないのか!?何でお前がコレを・・!
あ、レプリカ、あ、そうか。そうだろうな。
いくらお前でも日本の国宝級の物手に入れるはずがないな。
いやもし本物を手に入れても困るぞ。私が日本にいれなくなる。責任を持って返すぞ。そしてお前を零地点突破だ。

なんだ。まだ用件あるのか。
え・・・。いや、私はもうここを離れるつもりは無い。全てお前に託した。安心しているぞ、二世。
今度日本に来たら泊まるといい。
日本家屋は木と紙で出来ていると思ったが、意外とそうでもなかったぞ。
あまり無茶をするな。ではまたな。

ふう。
二世は心配しすぎだろう。私はこう見えても人付き合いは良い。
最近は近所の奥さんから煮物や炊き込みご飯を毎日いただけて食には困らないからな。そして美味だ。
お返しにこのプレゼント達を配るとするか。
どうして装飾品を贈り付けるのだろうか、霧は。私は男なのに。

ああ、嵐。私はお前が一番心配だ。
日本に一緒に行くと言って喧しかったお前は、今「ボンゴレ初代ボス・ジョット記念館」設立で忙しいだろうな。
私はそんなもの造られたら本当にイタリアへ帰れなくなる。いっその事帰化してしまおうか。
何時の間にか撮られていた写真や、何時の間にか有名画家に書かせた私の自画像。
そんな嬉しそうに私に贈りつけないでほしい。怒らないから私をそっとしておいてくれ。

これは雲か。・・・・!な、何故・・・!

見なかった事にした。
私は何も見ていない今日も日本の空は美しいな。鶯が歌っているぞハハハ。






まあ、私は
愛されているな。過剰なほど。

私もだ。

みな全てを、私は愛している。いつまでも。


どうかお前達が幸せになれる運命を歩めることを
この極東の島国から祈っている。



ん、また電話だ。今日は忙しいな。
私だ。・・ああ、嵐じゃないか。
・・え、あ、そう、完成したのか・・・。ご苦労だったな・・・。
ああ、少し受話器から離れてくれ。耳が痛い。いや病気ではないぞ、お前の声が大きくて。
え?二号館?ま、まだ造るのか・・!
い、いや・・・好きなだけ造るがいい・・お前がそこから忙しくて動けなくなる程に・・・。
あっ湯が沸いた。ではな嵐、切るぞ。みなによろしくな。









私は帰化する事に決めた。



end?

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ