暁ナル
□贈り物
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「ご馳走さーん!鬼鮫の旦那、飯旨かったぜ、うん!」
「あ、どうも…え?」
カランと箸を落としてオイラを凝視する鬼鮫の旦那。
皆なに目ぇ丸くしてんだ?
あ、オイラが褒めたからか。
そうだな、オイラが鬼鮫の旦那を褒めるなんて滅多にないからな。
…ほとんどないけど、うん。
まあ今日のオイラはそれだけ機嫌が良いって事だ。
部屋に戻ってベッドに横になると枕の下からあるものを取り出す。
(あー、顔がニヤけるな)
手に納まるのは、ナルトからの手紙。
今朝届いたものなのに、もうくしゃくしゃになりかかっている。
それは何度も何度も読み返し、その度にオイラの掌がべろべろなめるからだ。
こいつもナルトの匂いが解んだな、うん。
ふ、と笑みを洩らし、再び視線は手紙へ。
『 デイダラへ
いつも手紙ありがとう。
文通ってこんな楽しいもんなんだな!
手紙待つの楽しみだってばよ!
それから、プレゼントもサンキューな!
あんなでっかい爆弾花火どうやっていいのか解んなくて手こずったけど、無事打ち上げ成功したってばよ!すんげぇ綺麗で感動した!
近所のおばちゃんがビックリしてたけど、木ノ葉丸達が喜んでて俺も嬉
しかった!本当にありがとな!その時の写真、一緒に送ったから見てくれな!それじゃまた!
ナルト 』
一緒に同封されていた写真を見れば、
そこには、打ち上げられた花火を背景にちびっこ達とピースしてるナルトの姿。
楽しそうな様子に、喜んでもらえて良かったと心から思う。
ナルトと文通を続けて数ヶ月。
(…ナルト…)
会えないのは寂しいけど。
その寂しさは送られて来る手紙で、写真で埋められる。
それだけでオイラの心は満たされる。
(遠距離恋愛も良いもんだな、うん)
END
でも会いたいデイダラは結局木ノ葉へ行くんですよ。
ちなみに、いつもと違うデイダラを怪しんで、ペイン達が覗いていたり…。
初デイナル、恋人設定でした。
2010.4.23