ナルト総受け

□門番
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あん、と書かれた巨大な門の前で、少女と少年は対峙していた。

「帰ってくれない?」

「無理な話だな。」

「帰って。」

「嫌だ。」

「帰りなさい。」

「断る。」

「〜っ、帰れ!」

「お前が帰れ。いつから門番になったんだ、サクラ。」

サクラ、と呼ばれた少女は額に青筋を浮かべた。

「変態が里に接近中って聞いてね、急いで来たのよ!まさか本当に来るとはね!抜け忍の分際でいい度胸じゃないの、サスケ君?」

そして、サスケと呼ばれた少年は涼しげな顔をして、サクラに言った。

「…お前も言うようになったじゃねぇか。まぁいい。そこを退け。」

「断るわ。あなたを里に入れる訳には行かないの。今じゃ別の意味で危険人物だからね!」

「………。」

「それに、何しに里に来たかも知ってるわ。でも絶対ナルトには会わせないから!」

「俺は自分の家を掃除しに来ただけだ。」

「嘘つけえぇ!!」

サクラが言えば、サスケは口端を上げ、目を細めた。

「…解ってるなら話は早い。退かないなら力ずくで追っ払うまでだ。」

「上等じゃないの!やれるものならやってみなさいよ!手加減しないわよっ!」

そして二人は戦闘体勢に。

サクラはギリギリと拳を握り締め、サスケは刀を抜いた。

その時、

「お前逹何してんの〜?」

間延びした声と共に現れたのはカカシ。

サクラの現上司で、サスケの元上司。

「あらま。珍しいお客さんだこと。」

「カカシか。ふ、相変わらず寝惚けた顔してやがるな。」

「お前こそ相変わらず生意気な口聞くねぇ。で、今日は何しに来た訳?」

ま、大体予測はついてるけどねぇ。とのんきに付け足すカカシ。

「…家の掃除だ。」

「はい、嘘。もっとましな嘘つきなさいよ。それにね、お前の家は綺麗だよ。」

カカシの言葉に、は?と眉を寄せるサスケ。

冗談で言った事だろうが、ちょっと待て。

そんな筈ない。
誰も住んでいないんだぞ。埃まみれの筈だ。

(あ、待てよ。もしかしたらあのウスラトンカチが俺の為に…。)

そうだ。

そうに違いない。

(あいつは俺の帰りを待ってんだ!そんで俺の家を毎日掃除に!流石は俺の嫁!ククク、あのツンデレさんめ!)

サスケは一人感激していた。

その少し離れた場所で、サクラ達は。

「…カカシ先生、サスケ君何か間違った想像して鼻血垂らしてますけど…、」

「嫌だねぇ〜。目がイッちゃってる
よ。こいつの趣味は妄想だもんね。大蛇丸の所で一体何してんだか。」

「…それにしても今日ナルト居なくてラッキーでしたね。」

「流石綱手様だよねぇ。先手必勝、ナルトを別任務に出しておいて良かったよ。」

「師匠、結構大蛇丸と仲良いみたいですもんね。今回も大蛇丸から連絡来たみたいですよ。サスケ君がそっち向かったからナルト君が危険よ、気を付けてって。」

「…大蛇丸も大変だよねぇ。俺もよく思うよ、よく下忍の時サスケの面倒見れたなって。アイツ昔からナルトの尻追い回してたもんねぇ。正真正銘の変態だよサスケは。」

「本当。ナルトが可哀想だわ。度々来るサスケ君に、俺の方が里を抜けたいって言ってたし。」

「まあ、ナルトは男から見ても可愛いからねぇ。解らなくもないけど。」

サクラは眉を寄せ、そう言えば、とカカシを見上げた。

「カカシ先生、サスケ君の家が綺麗だって言ってましたけど!サスケ君が変な妄想して里帰りしたらどうするんですか?ナルトの貞操の危機じゃない!」

心配するサクラを余所に、それは多分大丈夫でしょ。とカカシはほくそ笑んだ。

え?と首を傾げるサクラだが、次の瞬間大声を上げた。

「先生ー!サスケ君
が居ないわーっ!」



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