ナルト総受け
□似た者同士
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新しい新居で満喫していたナルト。
ピンポーン、とインターホンがなって。
越してきたばかりなのに、一体誰だ、と警戒心を抱く。
そっと、気配を消し、音を立てずに魚眼レンズを覗くと。
「げっ!」
何でコイツらが!?
一瞬で鳥肌が立った。
何故なら、レンズ越しに見えたのは、ナルトが最も警戒していた人物が居たからだ。
「よう、ウスラトンカチ。俺だ。」
「やあ、ナルト。僕だよ。」
外からこちらを覗く二人。
この二人に新居を教えた覚えはない。
と言うより教えるつもりなど無い。無かった。
なのに何故。
何で居るんだ。
教えたのは仲の良い同期達だけ。
引っ越した理由がサスケとサイにあるだけに、皆には絶対教えないでくれと口止めした。
引っ越すのだって、夜を選んで気配を完璧に消していた。
バレる筈がない。
あり得ない。
だが、一体どうして。
「おい、ナルト!居るのは解ってんだぞ。早く開けろ。お前の旦那が来たんだぞ。」
「何言ってるのかな。誰が旦那だって?君は頭が可笑しいの?ナルトは僕の恋人だよ。」
「はあ?何が僕の、だ?俺のナルトを気安く呼ぶな。とっとと失せろ。」
ああ、始まった。
「ねぇ、ナルト。勘違いって恥ずかしいよね。変な噂がたつ前に早く僕を部屋に入れてくれないかな。」
「誰が勘違いだ!それはてめぇだろ!モヤシが!それに何だ挿れるって!冗談じゃねぇぜ!その役目はこの俺だ!」
これが原因だ。
「君って熟下品だよね。ああ、気持ち悪い。ナルト早く開けてよ。此所に変態がいるよ。」
「変態はてめぇだろ!いつもナルトの部屋覗き見してクソ絵なんか書きやがって!」
「そう言う君はナルトの部屋に不法侵入してパンツ盗んだよね。」
「な、何でてめぇが知ってる!?」
これが原因で家を越したのに。
「ほらやっぱり変態じゃないか。泥棒だ。それに僕は覗き見なんかしてないよ。」
「じゃあ何やってんだよ!」
「覗きじゃなくて堂々と見てるだけだよ。」
任務で顔を合わせるだけでも億劫なのに。
「キモいんだよ!てめぇは気付いてないようだから教えてやる!ナルトはお前なんか嫌いなんだよ!」
「負け惜しみだね。ナルトは君を嫌っているんだよ。気付かないなんてやっぱり君は馬鹿だね。」
(…悪いけど俺、どっちも苦手だってばよ。)
「俺は馬鹿じゃねぇ!俺を誰だと思ってんだ!うちは一族だぞ!もっと敬意
を払え!」
「うちは一族がなんだい。抜け忍だったくせに。今じゃ哀れな変態の末裔って言われてる事知らないのかい?」
「なっ!出任せ言うな!てめぇこそ墨汁臭い変態モヤシって言われてんだよ!知らなかったのか?だはは!いい笑いもんだぜ!」
「いい加減な事言わないでくれるかな。このヘナチン。」
「ああ!?俺はヘナチンじゃねぇ!ナルトを前にしたらそりゃあ大変な事になるぜ!お前なんか驚いて引っくり返んだろうよ!それにヘナチンはてめぇだ!」
まるで子供の喧嘩だ。
止めてくれ。
越してきたばかりで変な噂が立つじゃないか。
(俺はホモじゃねぇってばよ!)
まだ、近所に挨拶にも行ってないのに。
すでに表では、何の騒ぎだ、と隣人や同じ階の住人が顔を出しているようだ。
どう言う関係なんだ、とか、越してきた奴はホモなのか、などと嫌でも聞こえて来た。
ナルトはしゃがみ込んで頭を抱えた。
何の為に越したのか解らない。
もう駄目だ。
堪えられない。
(此所には住めねぇってばよっ!)
ナルトは窓を開け、そのまま部屋を飛び出し火影邸へ向かった。
この後も、居なくなったナルトに気付かず、二人は家の前で言い争い
をしていたとか。
そして、何故ナルトの家がバレてしまったのかと言うと。
それには犯人がいた。
「ねぇサクラ。あの二人ナルトの家着いたかしら?」
「きっと着いたわよ。そんで今頃…。」
フフフ、サスナルサイ最高ー!とサクラといのは妖しい笑みを浮かべた。
そう、犯人はこの二人。
何故なら、この二人は、腐の付く女子だから…。
そして、信頼していた友に裏切られたナルト。
しかし、それを知る筈もないナルトの苦難はまだまだ続くのだ…。
END
2009.10.1