ナルト総受け

□変態ドクターズ
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「ピンクの乳首」

「…」

「ピンク…」

「何度も言うなってば!」

この人変態かよ…!?

再度言う先生に、聞き間違えではなかった、と目眩を覚える。

「あら、どうしたの?クラクラする?熱が出てきたのかな。ちょっとそこに横になって」

「や、大、丈夫です…」

もはや、聞き間違えだ何だと言ってる場合ではない。

初めからの発言を考えたらここに居ては何かまずい事が起こる気がする。

「…、」

ほらほらと笑みを浮かべ促す先生に、身の危険を感じた俺は全力で拒否する。

「お、俺ってばもう治ったんで!全然平気っ!」

「ダメだよ、ナルトの可愛い乳首見るまでは帰さないからね〜」

「ひぃーっ!」

いつの間に呼び捨て、って言うか…

診察って言うより、乳首が見たいだけじゃねぇかよ!
アホか、俺は男だ!

男にそんな事言うなんてこの人変態か?

「先生に見せてごら〜ん?」

変態だよ!

「止め…っ」

本気で抵抗する内に、何だか頭がくらくらしてきた。

いきなり動いた所為で本当に熱が出てきたのかも知れない。

「ナルト〜」

いつの間にマスクを外したのか、変態は顔を近付けてきた。

思わぬ美形に一瞬見惚れてしまったのは絶対気の所為だ。

熱の所為だ。

「惚れた?」

「ふざけん、なってばっ」

「顔が赤いね〜。先生が直接おでこで熱計ってあげようね〜」

「ひいっ…!」

体温計があるだろうが!

けど、そんな事言う余裕もない。

くらっとして体がふらつき、気付いた時には押し倒されていた。

「捕ま〜えた」

「離、せっ」

「んふふ。可愛い」

食べちゃいたい。

聞こえた瞬間、俺はマジでヤバいと思った。

だって、何か変態の目が本気だ。

「止め、ろってば…!」

「あらら。涙目になっちゃって。俺を煽ってんの?」

んな訳あるか!

変態に押し倒されれば誰だって泣くだろ!身の危険を感じれば泣きたくもなるだろ!

「…っ」

頭は痛くなってきたし何か気持ち悪いし、もう最悪だ。

風邪引いて病院に来ただけなのに何でこんな目にっ。

「ナルト?」

「うぅ…っ」

「ちょ、顔色悪いな。大丈夫か」

何だよ、急に真面目な顔して。医者の癖に今さら遅いんだよっ。

セクハラしてないでもっと早くに気付け!
心の中で毒づき、睨み上げる。

「ちょっと見せて」

俺の目にライトを当て、心配そうに変態が顔を覗き込む。

涙の所為か、熱の所為なのか視界がボヤけてきた。

「大丈夫だよ、そんな不安そうな顔をしなくても」

続ける変態に、どこが大丈夫なんだと腹が立つ。

言ってやろうかとそれを言葉にしようにも、それは叶わなかった。

「――ナルト!」

焦りを帯びた変態の声を最後に俺は意識を飛ばした。






風邪を引いて病院に来ただけなのに何でこんな目に合わなくちゃいけないのか。

「はい、アーン」

数時間後、目覚めた俺を待っていたのは変態以外の何者でもなかった。

楽しそうに俺の口元にリンゴをつき付ける変態を見て、俺は病院のベッドの上で盛大に顔を引き吊らせた。


END


中途半端ですがとりあえずここで終わり。

次に出てくる変態ドクターは誰にしよう。


2010.10.11
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