サスナル

□変態のお迎え
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――ナルトの様子がおかしい。

そう、気付いたのはつい最近。


とにかく元気が無いのだ。

食欲が無く余り口にしないし、睡眠も余りとっていないようで、目の下にはくっきりと隈が出来ている。
おまけに頬が痩せこけていて。

それは誰が見ても病人のように見えるだろう。

普段のナルトからは考えられない。

まるで、魂が抜かれてしまったかのようだ。

どこか具合が悪いのか。
それとも何か悩みが有るのだろうか。

ならば聞いて相談にのってやりたい。

だが、声を掛けようとすれば、悲鳴を上げて逃げ出す始末。

その様は何かに怯えているみたいだった。

確かにナルトは狙われている。
暁や、その他諸々から。

しかし、此処にはナルトを狙うような奴の気配は無い。

だったら何をそんなに警戒しているのだろうか。

「…他に原因が…?」

そう呟いた次の瞬間。


















「原因はお前だろうがあああぁぁ!!!」

背後から女が飛び掛かって来た。

それに目を見開くと、防ぐ間も無く、顔面に思い切り飛び蹴りを喰らった。








「…、ってぇ、」

くらくらする頭を押さえ、立ち上がろうとすれば、横か
ら伸びて来た腕に両脇をがっちりと固定された。

「…、痛ぇな!何しやがるっ!?」

見れば、脇を抱えているのは暗部二名。

「火影様からの命令よ!今すぐそいつを里から追い出して下さい!」

ちょっと待て。
何なんだ、と目の前で仁王立ちする女に目を向ければ一気に殺意が芽生える。

「てめぇ!おいサクラ!一体どう言うつもりだっ!?」

そこに居たのは、同期のサクラ。

「どう言うつもり?それはこっちの台詞よ!このエロスケストーカーが!」

「ああ!?誰がストーカーだ!?は、まさかナルトはストーカーにあっていたのか!?おいサク、ぶほぉっ!」

脇を固定されているサスケは動く事が出来ず、またもサクラの馬鹿力を喰らった。

「お前がストーカーだあぁ!ナルトが窶れたのも怯えてたのも全部サスケ君の所為よ!」

「…、勘違いすんなっ!俺はナルトを見守ってただけだっ!なのに何だこの仕打ちは!?ナルトは何処だ!?会わせろ!俺のナルトに会わせろぉ!!」

「ナルトは師匠の所で治療中よ!アンタの所為でね!それにナルトは誰のものでも無いわ!」

「ふざけるな!ナルトは俺のもんだぞっ!アイツと俺は結ばれてんだ!だから変な虫が着かねぇよ
うに守ってたんだ!冗談じゃねぇ!おい!放しやがれ!!」

「…はあ。これだから無口な男って何考えてんだか解らないのよ。」

「何!?そりゃナニ、ギェッ!」

「もうついて行けないわ。とっととその抜け忍を連れて行って下さい!」

「「御意。」」

「ちょっと待てサクラ!俺はナルトに会えるまで帰らねぇぞ!」

「帰れ変態!ナルトから伝言よ!もうサスケ何か追わないからですって!序でに迎えが来てるわよ!」

「迎えだ?ナルトか!ナルトだろ!ふはは!やっぱりナルトは俺を愛してんだ!」

「死んでしまえ勘違いバカスケ!ナルトな訳無いでしょ!」

こんな奴が同じ班だったなんて。
サクラはサヨナラと強く言い放つと去っていった。

「あ、おい!ちょっと待て!」

「行くぞうちはサスケ。」

「里入り口まで送り届けてやる。」

「嫌だ!止めろぉ!俺はナルトに会うんだ!放せえぇぇ!」

叫ぶサスケの声は里中に響き渡った。








その頃、里入り口では…。





「何で迎えに来なきゃ行けないんですか。このまま放っておけば良いのに。」

「私だってそうしたいわよ。でもナルト君が可哀想だし…。」

「……。」

「これじゃ
まるで幼稚園に迎えに行く親みたいね…。最悪だわ…。」

「…最悪です。」


うんざりした顔の大蛇丸とカブトが居た。


END

2010.1.3
 

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