サスナル

□とある日の…
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「サスケ、早く舐めろよ。」

「………、」

「何ボケッとしてんだよ!」

ナルトは急かすように言った。

「………、」

「あー!もう、垂れちゃうってばよ!」

「………、」

「お前が欲しいって言うからくれてやってんのにっ!早く舐めろよ!」




これは決して妖しい会話ではない。





ないのだが。




「……だ。」

今まで黙っていたサスケが言った。

「は?何だってば?」

「…めは、俺だ。」

「よく聞こえねぇってばよ!何?」

聞き取れず、聞き返すが、相変わらずぼそぼそと言うものだから何を言っているのか解らない。




そんな二人の横で、サスケの言った事が聞こえてしまったサクラ。

直ぐ様ナルトを止めた。

「ナルト!もう良いじゃない!聞いて損するのはあんたよ!」

「え?何だってばよ、いきなり。」

「良いのよ!サスケ君なんか放っておきなさい!」

「え?なになに!サクラちゃん、サスケの言ってる事聞こえたの?ずりーってばよ!俺も聞きたいのに!言えよサスケ!」

だが、サクラの忠告を無視してまだ問い詰めるナルト。

「…もう知らないわよ!サスケ君も止めてよね!こんな人の多い所で、」


「攻めは俺だって言ってんだよ!このウスラトンカチがぁ!!」

こちらも、サクラの忠告を無視して、遂に大声で怒鳴り出したサスケ。

「…は?何だよ!いきなり怒鳴りやがって!」

あぁ、と二人の横で額に手を当てるサクラ。

(もう知らないわよ…。)




「攻めは!俺だ!誰が舐めろだと!?それは俺のセリフだ!受けのてめぇは俺の下でにゃんにゃん啼いてりゃ良いんだよ!」

「な、何の話だってば、」

攻めだの、受けだのとサスケの言葉に訳が解らない、と目を丸くするナルト。

「良いか!このドベが!受けのてめぇは舐めろとかこの俺に命令するんじゃねぇ!言って良いのは俺で、てめぇが言うのは“サスケェ、舐めてってばよぉ”だ!解ったか!」

「な、なに、意味解んねぇ事…、」

サスケが可笑しい、とサクラに救いの手を指し伸ばすも。

(…他人他人。)

そっぽ向いて他人のフリを決め込むサクラ。

食事をしていた周りの人も、たまたま歩いていた人も、仰天した顔でナルトとサスケを振り返る。

「さ、サクラちゃん、助けてってば、」

最も、一番仰天と言うか、訳が解らないのはナルトなのだが。

珍しくカカシが遅刻しないで集合場所に来
た為、任務が予想より遥かに早く終わった七班。

ご機嫌で、サクラを甘栗甘デートに誘ったら、これまた珍しく甘いものが嫌いなサスケも行くと言い出して。

内心、サクラちゃんとデートだったのに!と舌打ちしたい気持ちに借られたが、仕方ないと三人で向かった甘栗甘。

店に入って食べたい物を注文して。

注文したアイスクリームを食べながら世間話をして。

そんな中、また珍しくサスケがアイスを一口くれと言い出して。

珍しい事も有るもんだ、と素直にサスケにアイスを差し出した。

ただ、それだけ。

それだけなのに何故かサスケは顔を赤くしてアイスに口をつけようとしない。

そして、始まった今のやりとり。

サスケの言ってる事が理解出来ず、サクラに助けを求めるも、何故かこちらに背を向け茶を啜っている。

どうしよう、とサスケを止めようとするが、一度口を開いてしまったサスケは未だ大声で話続けている。

言ってる意味が今一掴めないが、ナルトにとって迷惑な、恥ずかしい事を言っているのは間違いない、そう解釈すると、サクラを置いて店を逃げ出した。

「ちょ!ナルトー!」

突如店を飛び出したナルトを、卑怯者ー!と叫ぶとサクラも慌てて席
を立った。


それに気付かずまだ喋り続けているサスケ。

周りに居る人達は、可哀想なうずまき…、と哀れな目を向け、更に自分の妄想をぶちまけるサスケに、気持ちの悪いものでも見るような、そんな視線を向けた。




そして、それを期に、サスケのスキンシップがエスカレートしたのは言うまでもない。




そんなサスケに、ナルトが九尾の力を発揮するのは時間の問題である…。


END

2009.9.13
 

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