サスナル

□不幸の手紙
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「あれ、ナルト?」

「ん?あ、サクラちゃん!」

「何してんのよ?何か燃やしてるの?」

「うん、まあ…、」


ナルトは今、自分のアパートの庭で、あるものを燃やしていた。

煙たそうにドラム缶を覗き見るサクラ。

ドラム缶の中で燃えているのはどうやら紙らしい。

サクラは首を捻った。

「何燃やしてんの?」

「…えーと…、」

何やら歯切れの悪いナルト。

「何よ?」

「…んー…、手紙だってば。」

「手紙?誰かから貰った手紙?」

「…うん、」

首を捻ったかと思ったら今度は眉を潜めるサクラ。

「何で人から貰った手紙を燃すのよ?」

あんたちょっと酷くない?とナルトを見ると。

「…いやー、あんま良い手紙じゃねぇっつーか、なんつーか、」

「何よ?」

これからまだ燃すのかドラム缶の横に束になっている手紙を見つけたサクラ。

「あっ!サクラちゃんダメだってば!」

ナルトが言うより先に、その手紙の束を手に取ると宛先と送り主の名前を見た。

「うずまきナルト様、え?送り主…、!?」

手紙の送り主の名前を見たサクラは驚いた。

見られてしまった、とナルトはガックリと項垂れる。

「な、何コレ…、」

何枚もの封筒を見ながら動揺を隠せない様子のサクラ。

送り主の名前を見てみると。

そこにはうちはサスケと書かれていた。

「何なのコレ…、何でサスケ君から、」

ナルトは参った感じで答えた。

「…不幸の手紙だってばよ…、」

「不幸の手紙?」

「…どれも書いてある事がキモいんだってばよ…、」

「…?見ても良い?」

ナルトはチラッとサクラを見ると、見ない方が良いと思うってば、と小さく答えた。

それを聞く前に、既にサクラは一枚の封筒から中の手紙を開いた。

「…随分分厚いわね、なになに…、」

その手紙はサスケからのようだった。


『愛する俺のナルトへ。

元気でいるか?心配するな、俺は元気でいる。もちろん俺のムスコもだ。この手紙を書いてる今でもビンビンだぜ。お前が嬉しそうにこの手紙を読んでるのを想像するだけでイっちまいそうだ。ウスラトンカチ、俺に会えなくて寂しいか?俺は寂しいぜ。早くお前に会って俺のムスコでピーしてやりたい。楽しみだろナルト。嬉しいだろ?早く俺を追ってこい。俺は気が短い。お前は焦らしプレイが好きみたいだが、俺は好きじゃねぇんだ。お前が来ないなら俺から会いに
行くぜ。その時はナルト、三日は寝かせねぇから覚悟しておけよ。あー、早く会ってお前を啼かせたいぜ。ホラ見ろ、また想像しただけでムスコが育ちきっちまった。仕様がねぇから今はお前の写真でヌくとする。早く来いよ。愛してるぜ。俺のウスラトンカチ、浮気するんじゃねぇぞ。あ、お前が寂しがると思って俺の写真を同封したからな。コレを見てお前もヌくと良い。それから…』


と、まだ続きがあるみたいだがサクラは無言で手紙を火の中に放り投げた。

「…だから見ない方が良いって言ったんだってばよ、」

サクラは放心状態だ。

「…な、ナルト、サスケ君と付き合ってたの…?」

「な、冗談言うなってば!誰がこんな変態と!」

「そ、そうよね…ははは…、」

引きつったサクラを横目にナルトは呟いた。

「…俺、サスケ追うの止めようと思うんだけど…、」

サクラちゃんどう思う?と視線を向ければ。

「…さ、賛成するわ…、」

ぶんぶん首を縦に振って、そうサクラは呟いた。


そして燃えたぎる火の粉を二人は無言で眺めていた。


END

2009.8.25
 

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