サスナル
□僕の秘密
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サスケは大蛇丸の隠れ家でテレビを見ていた。
「――…サスケ君、また見てる…」
最近のサスケは、修行もろくにしないで、自分の部屋に引きこもっていた。
初めの頃、体調でも悪いのかと心配したカブトがこっそり部屋を覗きに行った。
するとどうだろう。
サスケは、テレビの前に体育座りをし、画面を凝視しているではないか。
(…何だ、具合が悪い訳じゃないのか)
では、どうしたと言うのか。カブトが聞こうと思っていたら―…。
サスケは急に、フフフと肩を震わせ、大声で笑い出した。
バカ笑いとでも言おうか。
それを見たカブトはビクッと肩を鳴らした。
無口の彼が。あんな笑い方をしているのは見た事がなかった。
それ以前に、笑った顔など見た事があっただろうか。
いや、恐らく無いだろう。
カブトは、背中に冷たいものが流れるのを感じたが、その光景から目をそらせなかった。
暫く様子を見ていたら、今度は小刻みに肩が揺れ出した。
(な、泣いてる…)
サスケ君が泣いてる。
いきなり泣き出した目の前の男に、あ然とする。
一体なんなのか。
それに、その泣き方なのだが、ヒックヒックと可愛いものならまだ良い。
だがサスケの場合、子供が親におもちゃを買ってとねだるが、駄目です!と買ってもらえない時のあれに近い。
カブトは思った。
サスケ君が壊れた――…と。
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