サスナル
□サスケ先生・2
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-授業風景-
「今日は俺のナルトについての勉強だ」
授業開始のチャイムと同時に、時間通りに教室へ入ってきたサスケ。
教壇へつくなり、命令口調で言い渡す。
生徒達は眉を寄せサスケに注目した。
誰もが思った。
何を言っているんだこの教師は、と。
だが、サスケは続ける。
「ちゃんと覚えろよ。次のテストに出すから」
シーンと静まりかえる教室。
「あ、あの…うちは先生…」
一拍置いて、このクラスの代表である委員長が手を上げ疑問を口にする。
「あ?何だよ?」
するとサスケは眉間に皺を寄せ、その生徒を睨み付けた。
「ひい…っ、あ、あの。先生は数学の先生ですよ…ね?」
「てめぇ、俺の授業受けた事あんのか?」
「え?あ、ありますけど…」
「だったら見りゃ解んだろ。俺が国語の教師にでも見えんのかよ?俺の授業受けてる癖に解んねぇなんて馬鹿かてめぇは」
その一言にクラス中は息を飲んだ。
「…、」
そして、何で聞いただけなのにそんな態度で返されなくちゃいけないのか、と委員長は泣きたくなった。
この時、クラスの生徒達が委員長に同情の目を向けたのは言うまでもない。
「さっさとノート出せ」
サスケが黒板に直り、委員長が涙を浮かべながら腰を下ろすと、授業は始まった。
カツカツカツ…
静まる室内でチョークの音だけが響き渡る。
次々と書かれていく文字に今度は目を見開く生徒達。
黒板にはこう書かれていた。
『うずまきナルトの一番好きなものは?』
沈黙する一同。
「はい、コレ。答えは何だ」
「は、えっ?」
突然サスケに指を差され驚きを隠せない一番前の席の男子生徒。
「え?じゃねぇよ。答えを言えってんだよ」
「…、」
答えって…。
そんなのナルトと友達ではないから知らない。
生徒は何も答えられず固まる。
するとサスケは舌打ちして、盛大にため息を吐いた。
「こんな事も知らねぇのかよ。それでよく生きてられんな」
「…、」
言われた男子生徒もまた委員長と同じく泣きたくなった。
「テスト出るって言ってんだろ。じゃあ次、てめぇ答えろ」
今度はその横に座る女子生徒に問う。
女子生徒は一度肩をびくつかせると、目を泳がせて小さく答えた。
「い、い、一楽のラーメン…」
生徒の答えに目を見開くサスケ。
この女子生徒はナルトと友達ではないが、ナルトのクラスへよく行くためたまたま耳にした事があったのだ。
それが正解かどうかは解らないが取り合えず言ってみた。
ただそれだけなのに…。
「はあっ」
再びサスケは大きくため息を吐くと。
「俺はナルトの一番好きなもんを聞いたんだよ。てめぇも頭悪ぃのか。ナルトの一番は俺だろ。こんな赤ん坊でも解ける問題が解んねぇなんてな。呆れてものも言えねぇぜ」
「…、」
―生徒を貶す教師がいるのだろうか。
女子生徒が涙を流したのは言うまでもない。
それからの小一時間。
『ナルトの彼氏は?将来の旦那は?今日のパンツの色は?身長は?体重は?口癖は?家の間取りは?風呂に入ったらどこから洗う?……』
と、生徒達にとって、数学よりも難しいいくつもの難題を突きつけられ。
当てられた生徒は答えれば罵倒され、答えが当たれば、「俺のナルトに惚れてんのか」と勘違いされ。
たった一時間で胃を痛める生徒が続出した。
そして、これを気にサスケの授業に出るものが激減したのは言うまでもないだろう。
更に
「教え概のねぇガキばっかで疲れるぜ。ナルトを見習えよ」
どこまでも偉そうに、当然の様に言い放つサスケに、殺意を覚える生徒が続出した事こそ言うまでもない話だろう。
END
サスケ先生第二弾。
他のクラスを教えるサスケでした。
全然教えてませんが(笑)
2010.7.24