サスナル

□キノコ狩り
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俺の彼氏は変態だ。

そりゃあもう、とんでもない変態だ。

何が変態って…。


-キノコ狩り-


「湿気多くて良からぬ所に凄いキノコが生えたんだけど見て見て」

「…」

そう言って、フルチンで俺の正面に立つサスケ。

ほら、変態だろ?
…だって勃ってる。

呆れてため息が出る。
こいつの変態的な行動、言動は今に始まった事じゃない。日常茶飯だ。

慣れたとはいえ、その度に思う。
…お前、ホントにあのうちは一族なのか、と。

お前の母ちゃん達が見たら泣くぞ。
親を泣かすなサスケ。


いつもならぶん殴ってるとこだけど、暑さの所為でそんな事する気力もない。
適当にあしらって、サスケご自慢のそれから視線を背ける。

すると

「おい、キノコだぞ!美味そうだろ?食え!新鮮だぞ」

俺の前に回り込んで、腰に手を当て仁王立ちするサスケ。

「…」

俺は一度サスケを睨むと反対側に背を向ける。

勘弁してくれ、暑いんだ俺は。
クーラーも扇風機も壊れてて、この暑さをどうする事も出来なくてイライラしてんだ。

いくら見慣れているそれとはいえ腹が立つ。
何が美味そうだ、何が新鮮だ、湿気で生えたなら毒キノコじゃねぇか。

頼むからじっとしててくれってば。


だが…


「ナルト食えよ!美味そうだろ、新種のキノコだぞ!生えたてだぞ!」

願いも虚しく、再び前に回り込んで、あろう事かその新種のキノコとやらを俺の顔に近付けてきた。

「…止めろってば」

只でさえ暑くて苛ついてんだ。これ以上イライラさせないでくれ。

「嫌だ、食え!まだまだ育つぜ!」

「止めろって」

後退りながら拒否する俺。
その反動で汗が流れ落ちる。
止めろ、無駄に動きたくない。

けど、俺の思いとは裏腹に段々と距離を縮めるサスケ。

(堪えろ俺、堪えるん…)

「食えっ食えっ食え〜俺のキノコ〜」

―プツッ

歌いだしたサスケに、頭の中で何かが切れる音がした。

(限界だ、この野郎っ)

下劣な歌でチョコ〇ールを貶すな!

(もう我慢ならねぇ、サスケがその気ならこっちにも考えがあるってばっ!)

「そんなにキノコ食って欲しいってば!?」

「おう、食う気になったか?」

何を想像してるのか、ニヤニヤ笑うサスケ。

「上等だってばよっ!」

言って、サスケのそれに手を伸ばす。

そして…

「おかわり自由…ぎゃあああああっ!!?」

ニヤついてたサスケの顔は一気に青ざめて。

悲鳴を上げるサスケに構わず、俺は力一杯それを握り締め、引っ張る。

「うるせぇってば!お望み通り食ってやるよ、引っこ抜いてな!」

「痛えええぇっ!!止めろ、引っ張んなあああっ!!」

「てめぇが食えって言ったんだろ!生えてるキノコは抜くもんだろ?暴れんなっ!」

「千切れる千切れるーっ!!」

俺の頭を押して抵抗するサスケに、そうはさせるかと更に手に力を込める。

「わ、悪かったナルト!俺が悪かった!だから離せっ!!」

「サスケが言ったんだってばよ!」

「悪かった、もうしない、しないから離してくれえええぇ!!」

「黙れこの変態!引っこ抜いて煮てやるってばよ!」

「止めてええええっ!!」

サスケの声は里中に響き渡った。





十分後。

泣き続けるサスケと、すっかり萎えたサスケのキノコを見つめ、少々やり過ぎたかと反省する。

悪かった、素直に謝る俺に、こともあろうか変態は、

「痛い、腫れた。見てナルト」

またニヤニヤし、何故か天を向いたそれを見せるサスケ。

「〜〜〜っ」

一体どこで欲情したんだ、この野郎っ!

「お前がこんなにしたんだ」

「やっぱ引っこ抜いてやらあああああ!!」

反省を撤回し、直ぐ様サスケに飛び掛かったのは言うまでもない。

再びキノコ狩りが始まった。


END

うはは。いつにも増してキャラ崩壊(爆)

これでもナルトはサスケを愛してます(多分)

暑さで苛ついていただけです(笑)

お目汚し御免!


お題提供⇒++純粋少年++様。

2010.7.11
 

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