カカナル
□勝手な大人・番外編
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「あれ?何で短冊が一枚も無いんだってば…?昨日まで沢山飾ってあったのに」
「先生が取ったから」
「へ?」
「飾るのは俺とナルトのだけで良いのよ」
「良いのよって…、これは里の皆が書いて良いように里の広場に置いてあるんだってばよ?」
「知らなーい。だって、皆の飾られたら俺達の願い事叶わないじゃないの」
「…、ダメだってばよ…これは里のもんなんだから…」
「知らなーい。もう取っちゃったもの」
「じゃ、じゃあ飾り直すってば、取ったやつ貸して」
「もう無いよ。燃やしたから」
「…!?」
「なーに?何考えてんの?お前は俺だけの事しか考えちゃダメなんだよ。何考えてんの、ねぇナルト?」
「…、」
「まさか里の事?先生を嫉妬させたいの?怒らせたいの?そうなの?なら燃やす?短冊だけじゃなくて里も燃やす?」
「そ、そんな事言ったらダメだってば!…違うってばよ…、」
「じゃあ何考えてたの?教えてよ」
「…、」
「ナルト」
「っ、先生は、何書いたのかなって…、」
「俺?俺の事考えてたの?ふふ、そっか。俺の事か。嬉しいね」
「…う、うん…」
「俺はねぇ、人類が滅亡してナルトと二人きりになれます様に。って書いたの」
「…、」
「素敵な願いでしょ。叶うかな?どう思う?ナルトはどう思う?」
「…、」
「ナルト?」
「お、俺、おれ…、」
「あ、ナルトは何て書いたの?見せてよ」
「お、おれ…、」
(…い、言えねぇ。四代目みたいな火影になれます様に、って書いたなんて言えねぇっ)
「どうしたの?見せられない様な事書いたの?ねぇ」
「お、俺…、」
「…まさか俺以外の…」
「俺っ、まだ書いてないっ、これから先生と同じの書くんだっ」
「…」
「だ、だって、同じ願い事書いた方が叶いやすいってばっ、」
「…!そっか、ナルトはホントに俺が好きなんだねぇ。疑ってゴメンね。そうだよね、同じ事書けば叶いやすいよね」
「…、う、ん…」
「じゃあいっぱい書こうね。笹が見えなくなるまで書いちゃおうね」
「…、」
「ね?」
「う、ん」
(…こんな願い、叶ってほしくないってば…)
(ふふ。こんなもん書かなくたって、いつか俺が人類滅亡させてやるからね)
全てはナルトと俺の為。
お前の願いは全部、俺が叶えてあげる。
END
お前の願い、と言うよりカカシ先生の願いですね。
2010.7.7