カカナル

□欲深な男
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「先生、浮気しないで」

そう言ったら、カカシ先生は読んでいたエロ本から顔を上げこう返した。

「じゃあナルトを監禁してもいい?」

「…」

余りの、予想外の返答に言葉を無くす俺。

「監禁してもいい?」

再度聞いてくる先生に、言葉が見つからない俺は、取り合えず首を横に振った。

「ダメなんだ」

いや、ダメに決まってる。

「じゃあ浮気止めない」

そう言って、また本に目を戻す先生。

え。何それ。え?
理解出来ねぇんだけど。

「…浮気止めない、の…?」

「うん」

やっとの思いで出た言葉に、先生は本から目を反らさず返す。

一応大事な話してんだからこっち見てほしいんだけど。

「…浮気と監禁ってどう関係あんの?」

「ん?ナルトを監禁させてくれたら、浮気止めるって事」

「…」

うん。
やっぱ理解出来ねぇ。

「…解んねぇ」

「お前バカだもんね」

「…」

ムカつく。
確かに俺はバカだけど。
これって、多分誰が聞いても理解出来ねぇよな。
俺だけじゃねぇよな。

「じゃあ解るように言ってよ」

「んー?」

少し怒気を含ませた口調で言えば、やっと先生はこっちに顔を向けた。

「だからね、浮気はナルトの所為なわけ」

「…うん?」

「お前が俺をほったらかしにするから浮気すんの」

「…うーん…?」

そんな事した覚えはないんだけど、な。

首を傾げる俺に、先生はくすくす笑い、更に続ける。

「つまり寂しいのよ。お前はすぐイルカ先生やシカマル達んとこ行っちゃうから」

「…そうか?」

行くって言ってもたまにじゃん。
それに、俺は先生みたいに浮気してんじゃなくて、一緒に修行してるだけだし。

「そうだよ。だから寂しくて浮気すんの」

「…俺の事好きじゃないの…?」

「好き。愛してるよ」

じゃあ何ですんだよ?

やっぱ解んねぇよ。

「…俺を監禁すれば先生は浮気しないの?」

「うん。しないよ。だってそしたらお前、ずっと俺の側にいるじゃない」

「…」

「だから、浮気止めてほしかったら、監禁させてね」

「…」

無言で先生を見る。
だって、何て言ったら良いんだよ。

俺が眉を寄せると、先生は困ったように笑った。

「俺、これでも我慢してんのよ?」

「…我慢…?」

「ほんとはね、今すぐにでも閉じ込めたいの。だけどお前の嫌がる事したくないし。でも俺だって嫌なのよ?好きでもない女に突っ込むなんて」

「…は?」

突っ込むって…。
改めて言われるとショックがでかい。

大体、その時点で俺の嫌がる事してるじゃんか。

「でもね、寂しくて、仕方なくてその辺の女をナルトの代わりにしてんの」

ちょっと、カカシ先生。

「どんだけ気持ち悪いか解る?お前じゃない、女に手を出す事が」

「いや、え?」

「でも仕様がないのよ。解ってくれた?お前を愛してるからこそなのよ」

「…、」

…解んねぇよ、解りたくねぇよ…。

だけど

「偉いでしょ?ナルトを縛りたくないから女で済ませてんの」

そう笑うカカシ先生の顔は、今までに見た事がないくらい綺麗で。

「監禁、以外ないの…?」

何故か冷たくて。

「無いよ。俺は欲深いからね」

「…、」

「ま、そう言う事なわけ。俺だって我慢してんのよ。だから止めてほしかったら監禁させてね」

「…うん」

「お前が俺をこうさせてるんだから」

最後にそう言われれば、ただただ頷くしか出来なかった。

結果、

監禁されるのは困るし、火影になる夢は捨てられないし。

イルカ先生や仲間達に会えなくなるのは嫌だし。


カカシ先生の浮気を止めるのは無理みたい、だ。




「先生…」

「別れるなんて言ったら、俺なにするか解らないよ?」

ほら、目がマジだから。

「言わないでしょ?」

首に手を回されれば、黙って頷くしかないじゃんか。


END


意味不明…。

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