賞味期限切
□物語の中で物語の始まり
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「あ、すみません」
「いえこちらこそ…大丈夫ですか?」
私の腕の中からすり抜けた紙を拾い上げて
手渡してくれる大きな手
身長は私よりもはるかに高くて
お礼を言おうと上を見上げるのが一苦労だ
「ありがとうございます」
「では、」
「あっはい」
物語の中で物語の始まり
(背の高い人、横に並んだら私が小さく見えちゃう)
(小さい女だな、子供みたいだ。でも綺麗な女)
((またあの人と出会ったらまるで運命の出会いね)だな)
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