遊☆戯☆王 デュエルチャンピオンズ

□第八話 別れを決めるデュエル
上津遊 霧VS椚 直輝
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「・・・あぁ、そう、あんがとよ」

椚 直輝は自室で通話を行っていて、それを終えるとばつの悪そうな顔になった。

「くそ、ばれたか」

「ん?どうかしたの?」

と、訊いてきたのは美帆だ。
先日のタッグデュエル大会の後に仲をそこそこ深めた結果、今、イエロー寮の生徒に内緒で連れ込んでいる。

「いや、姉ちゃんから少し嫌ーなお知らせがな」

「ふーん」

「ま、気にすることはないからよ、ゆっくりとデッキについて話し合うか」

「うん」

「それと、今後についてな」

「パートナーは君だけだよ」

「タッグのことじゃなくてよ」

少しして美帆は悪戯っ子のように笑う。

「・・・君は気が早いね〜」

「うるさいっ」

「男女のタッグは恋仲が多いけど、僕たちはどうなのかな?」

「・・・夫婦?」

「いい病院探しておこうか?脳外科医あたりを」

「なんでそうなんだよ」

「あ、そうえば、会った時と違うよね?」

「ん?あぁ、あの時か」

「うん、あの時は嫌々でめんどくさかったけどね、それで、なんで名字が違うの?」

「いや、色々あってて、知ってるだろ」

「まさか、名字まで変えるとは思わなくてね
それで、どうして名字変えたの?名家だから再婚とかで名字変えないよね?」

「あの時言ったろ・・・名家が嫌になったんだよ、次期当主としてしきたりやなんやら、テーブルマナーに経済学に色々
だから、姉に頼んで椚の性を得て逃げ出した」

「かっこ悪い」

「どストレート過ぎて言い返せないな」

「だけど、最初のつまらなそうな目よりはいい目してるよ」

「・・・美帆さんは、最初と同じで素敵だ」

「ありがと」

「いえいえ」

「でも」

「でも?」

「下の名前呼びはやめてよ、付き合っても何でもないんだから」

「水野さんだと、お義姉さんと被るだろ?」

「確かに・・・変換おかしくなってない?」

「気のせいだ気のせい」

「そ、でも、人前で下の名前呼びやめてよね」

「いーやーだー」

「ワガママだなー」

「あぁ、俺はワガママだ」

「・・・なら、人前で馴れ馴れしくしないでね」

「それぐらいなら・・・じゃぁ、約束のキスを」

「叫ぶよ?」

「冗談キツイなぁ、指切りと言い間違えただけなのに」

「キしか合ってないよ」

「気のせい、気のせい」

「・・・」

美帆は黙って右手を出し小指を立てる。

「?」

「や、やらないの?指切り」

「あ、あぁ」

直輝は美帆の小指に自分の小指を絡ませた。

「俺は約束を守る男だからな」

「なら、最初に会った時約束したこと守れるよね?」

「・・・今でも守ってるつもりだ、忘れてない」

「そ、じゃ、そろそろ帰るね
お姉ちゃんが心配しちゃう」

「結局、デッキについて何もできなかったな」

「だね」

「・・・」

「・・・」

「送ってく」

「ありがと」

「その代わりに後でキスを」

「無・理」

「ですよねー」
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