遊☆戯☆王 デュエルチャンピオンズ
□第六話 チーム生徒会
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「結局、お前出番なくて残念だったなー、霧」
「俺は疲れなくてそんなこと思ってないが?」
リリと別れ、霧は風緑と帰路に着いている。
「だが、少し不満そうな顔してるぞ?」
「・・・そうか?」
「そうそ『風緑さん』
風緑が肯定しようとした時、女性の声がそれを遮る。
その声の持ち主の姿は、冷静な雰囲気の緑髮の半透明な女性・・・カームだ。
「ん?カームさん、どうかしたか?」
『どうもこうしたもありません、風緑さん、また力を使いましたね』
「ぎくり」
『やっぱり、あれは危険な力と何度説明したかわかりますか?
あの力のせいで、ウィンさんにどれだけ迷惑したか』
「わかってるって、だけど、キレちゃうもんは仕方ないんだよ」
『・・・あ、それと、この前ウィンさんが精霊界に無事に帰宅した時のご報告に、風緑さんから解放されて嬉しいみたいでしたよ』
「そーかい」
『ウィンさんのお母さん・・・リーズさんからはウィンさんに手を付けるな、と
あ、最後に・・・いくら危ない状況だからって私を罠のリリースに使わないでください』
「へーよ」
『それでは』
と、カームは消えていった。
「今のは?」
「あぁ、ウィンがたまーに精霊界に帰るんだけどな、その時に入れ違いで数日間カームさんと精霊交代すんだよ」
「いや、なんで」
「俺、昔さ、精霊界に意識だけ飛ばされたって話したろ?」
「いや、全く」
「・・・そんで、精霊界で俺、不治の病みたいなのにかかっちまって、ウィンが魔力半分犠牲にして、俺のこの病気緩和させたんだが、そのせいで俺と一年で五日以上離れられなくなったんだよ
あんまり離れると、魔力不足で大変なことになるし、俺も危険な状態になる
だから、ウィンと俺を繋いでくれるパイプのような役でカームさんが来てんだよ
だけど、そのパイプもほんの短い間しか効果がないからよ、本当にウィンやカームさんには悪いことしたなって」
「へぇ」
「ウィンはたまにホームシックになる時あるし・・・なりより、母上のリーズさんのウィンへの溺愛っぷりがな」
「それは、なんというか」
「俺のウィンだと言うのに」
「風緑のでもないだろ」
「それは違うぞ!」
「いや、間違ってないから」
「あんなに可愛くて小さくてツンツンしてて、でも時々優しくて、うん、もう最高」
「ちょっと待ってろ、警備員さん呼ぶから」
「それはやめろよな!?」
「冗談だ」
「本当か?」
「・・・で、そこ、こそこそ着いてきてないで姿を見せろ」
二人で後ろを振り返るとフードを被りマントで体を隠した人がいた。
「あれれのれぇ?ばれちまった?絶好な尾行だったのによ」
「殺気を出し過ぎだ・・・で、お前は誰だ」
「俺様?俺様はなぁ、そーだなぁ」
うむぅと考え始める人、声で男というのはわかるがその声はマスクを身につけているためか篭っている。
「まぁ、お前らだけ今回特別に教えてやろうじゃないか
お前ら・・・絶好に感謝しなよ
俺様はお前らのいうところの闇で悪で罪そのものだ」
「どういう意味だ?」
「そんままだっつうの、人がいくつか生み出した罪が実態を持ち、人に取り憑いた存在
俺様らは人の心そのもので、その本当の姿なんだわな
特にお前らみたいに絶好な力を持つ選ばれた人間にはわからない心なんだぜ」
男はクククと笑い言葉を続ける。
「あ、俺様のことはセカンド、と呼んでくれよ
今回はただの偵察の様なもんだからよ、絶好に命拾いだな?俺様とデュエルしなくてよ・・・じゃーな、ククク」
「おい、待・・て・」
男は闇に紛れるようにマントを翻しその場から消える。
「なんだったんだ・・・」
「何か良くないことが起こりそうだな、セカンド・・・一体何者なんだ」
二人は少しの間、戸惑いでその場を動けなかった。