不二受け

□ひとりの日
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気付くと家を飛び出していた。
走りながら不二に電話を掛ける。



…出ない。



乾がわざわざオレに電話してきた理由がわかった。あいつまた携帯持ってくの忘れたんだ。あーあのバカ!携帯は携帯しないと意味ないだろ!
とりあえず不二の家に行くことにする。いるわけないとわかってるけど、足は自然にそっちへ向かっていた。



不二の家に到着してすぐインターホンを鳴らす。

わかってたけど出ない。

オレは壁に背中を付けて息を整えることにする。頭を垂れて息を吐いているとなんだか足の力が抜けて、その場にしゃがみ込む羽目になった。

「クソ…どこにいんだよ…。」

俯いたまま途方に暮れていると、誰かが走って来る音が聞こえた。その後には聞き慣れた声…

「英二?」
「え、菊丸さん?」

顔を上げるとやっぱり不二がいた。ついでに裕太も。

「もう帰って来たの?」
「うぅん。携帯忘れたから取りに来たんだ。」
「わざわざ?」
「だって、英二に連絡出来ないから…。」

可愛いこと言ってくれる不二がほんとに愛しくなって、裕太がいるのも忘れて思いっきり抱き締めた。

「う、苦しい…えーじっ…!」
「もー!会いたかったよ!」
「わかった…から…苦しいってばっ!」

不二に押されて渋々離れた。不二は息を吐いて、オレの表情を窺うように見上げて来る。

う…かわいい…。

不二はゆっくりとした動作でオレの背中に腕を回してきた。そして一言…

「僕も会いたかった。」

ぐぁ、可愛すぎ!

「あーもー好き!好きすぎ!もーずっと不二といる。」
「うん。ずっと一緒だよ。大好き。」



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