不二受け

□カケラ
2ページ/5ページ

退屈な日々は変わらず続いて、僕も今日から3年に上がることになった。
人込みの中クラス替えの表から自分の名前を探す。

「…あ。」

6組。その名前の列の中に自分と、それから見知った人の名前を見つけた。




菊丸 英二




「不二!」

僕を呼ぶ声に振り返るとそこには嬉しそうに手を振る英二がいた。

「一緒のクラスじゃん!」
「そうみたいだね。これからよろしく。」
「ノート写さしてね。よろしく〜!」

楽しそうに笑いながら僕の手を取ってブンブンと勢い良く振る。

相変わらず元気な奴。



僕達はそのまま一緒に教室へ向かった。それからホームルームが始まるまで英二との会話は途切れることがなかった。

ようやく落ち着いて息を吐く。
でもそれも束の間。英二はホームルームが終わった途端僕の所へ来て、またも尽きない話を開始した。

それは放課後どころか帰りまで続いた。
はっきり言って今まで大して話したことなかった。だから一緒に帰ろうと言われた時も正直戸惑った。どうして突然、こんなにも僕に構うのか不思議でしょうがない。


クラスが一緒になっただけなのに…
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ