*novel*


目覚めはあなたと共に
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「確かに陽の光も鳥の囀りも君の一日の始まりを告げるものではなくなってしまったけれど…
こうやって僕の腕の中で眠ればいいよ…
そうすれば僕等、目覚めも眠るのさえも一緒だ。
優姫が心配することは何も無くなるよ」


枢に「何か異議はあるかな?」なんて耳元で甘い声で囁かれ、優姫は身体の芯から身震いする。
それは枢にも伝わり微かに笑われたのが優姫にはわかった。
それもなんだか悔しくて、優姫は腕を突っぱねて枢から離れ異議を唱える。


「……私が先に起きないと意味がないんです」


強がってみたものの枢がどんな顔をしているのか見る勇気はなく、視線を逸らして優姫は枢の反応を待ったが、直ぐに大きな手によって元の位置に戻された。
気付けば優姫は痛いくらいに抱き締められていて、それはまるで有無は言わせないと告げられているようだった。

異議があるかって聞いたのはおにいさまなのに。

優姫はそう思ったが言えるはずもなく、大人しく枢に身を預けた。


「おにいさま、私……」

「わかってくれるまでは何も聞かないし、優姫のことも離さないよ」


腕の力はより強くなり、耐えきれないくらい苦しくなった優姫は半ば強制的に枢に従う旨を告げる。


「…わかりました……
私、枢おにいさまと一緒が…いいです」


途切れがちに言うと、ゆとりがないほどに巻き付いていた腕が緩み、ほっとした優姫は顔を上げ枢を見上げた。
そこには満足気に何時もの微笑みを見せる枢の表情があった。


「いい子だね……優姫」


頭を撫でられながらも優姫は複雑な顔で笑顔をつくった。

結局、優姫は枢に適わない。
納得いかない気もするが、それでもそんな枢が愛しくて仕方ないと思う優姫。
強引だけれども、その裏には優姫のためを思う気持ちが見え隠れしているから。
何より本当は、優姫は枢と行動を共にすることが嬉しくないはずがないのだから。


「枢おにいさま…ありがとうございます」


そう言って、優姫は枢に微笑みかけた。




【END】




***

初っぱなからグダグダですみません↓
なんかもうとにかく謝ります。


かなり自己満でした…
なんかベタベタしてましたね。
こんな感じが好きです。笑

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