06/02の日記

10:07
愛情
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窓から聞こえる子供の声。
いつも近くを通る度に、家まで嫌でも浮かれた声が届く。





「ママ―お腹すいたぁ」

「今日はカレーがいい?」

「やったぁ!カレー♪カレー♪」





……俺は軽く聞き流しながら、
今日の晩ごはんは何か考える。





「(めんどくせ―な…………作るの)」





だいたい、コンビニかカップ麺、レトルトで済ましてばっかで…
もちろん、今日だってそうだ…。



ワンコの世話もしなきゃいけないし、風呂に入れてやらなきゃいけない日だから、
…今日は晩メシ考えんの止めた。





「ワンコ…暴れんなよっ」




お湯に浸るのを嫌がりキャンキャン暴れるは、時々噛むは、
ホントめんどくせ―――はで………。






気付いたら溜め息をついて、水面をぼ―っと眺めていた。






脳内に………隣に住んでた大学生と
村ちゃんの事を、何故か思い出した。








『中野―!ワンコ洗ってやっから貸してみろって』


「(お―、助かるよ…村ちゃん)」


『中野く――ん!ごはん出来たわよ〜〜』


「(便利だな―…ちょ―ど腹へって…)」









ワンコがぶるぶる水気を飛ばして、顔にパシャッと当たった。

ぼ―っとした視界から、
すぐさま現実に引きずり戻された。






「ハッ………………あんだよ今の…」






すごい暖かかった夢のような、
空想だったな…。




あの女は、メシも洗濯もしてくれそうだし。(しかもまともな飯が食える)
村ちゃんは、ワンコの世話も掃除も何でもやってくれそうだし。






「父と母だったら面白ぇ―のにな……」







自分で呟いて、驚いた。

愛情に飢えてんみたいでバカみて―だなぁと思うけど…、

何処かぐっと込み上げるものがある……。






「すげ――……笑顔だったな……さっきの俺は」








数日後――、



いつも現れる大学生には、…ちょくちょく食べ物をもらい。

村ちゃんからはちょくちょく電話がくる。
まぁヒマだから正直助かる。





『中野ー?一人暮らしだと大変だろ?ちゃんとした生活できてんか?千葉の奴らとなんか問題になってね―か?』




相変わらず質問攻めで、うっと――しいが…。




「うるせーな…それなりにやってんよ」







「中野く――ん」

「は?」

「あ、電話中?…ちゃんと友達がいるんだ、安心しちゃった(ニコニコ)」

「…………」



俺をどこまで暗いと思ってんだ…この女は……




『誰か来たんか――?』

「いや…近くに住んでるヤツで…うん、大学生」



「今度そのコも遊びに来てって伝えておいてね、じゃっ!」



何だったんだ……
様子見してすぐ帰ってしまった。




『そっちでも友達出来たんか?』


「友達っつ―より……食べ物を運んできてくれるというか…」


『ん!?』


「いや、あいつ村ちゃんも今度遊びに来てくれだとよ…」


『お―、行くべ行くべ。』





電話を切って、
受話器を置く手も少し浮かれているのは言うまでもない。



あいつと村ちゃんが一緒になったらどうなるか、正直楽しみで仕方がなかった。




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―後書き―
小説ではなく、これはもう小話ですね。
大学生が途中現れたのは何でだというのはスルーでw(テキトー)

大学生と村ちゃんが部屋に来たら、超楽そうな生活を送れそうな気がするw
父と母だったら…と、中野は愛情に飢えてそうだなと。大学生のお姉さんと村ちゃんの共通点は過保護っぽくて中野を構う所。



☆コメント☆
[Rara] 03-25 17:58 削除

素敵!
素敵ですね、この中野関係図??
中野ちゃんには幸せになってもらいたいです

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