<それは全くの偶然でした>

 当時の私は3歳と1歳の女の子を持つ、普通の専業主婦でした。

 ある日、同居している義母のお使いで隣町に電車で出かけたときのことです。
平日の昼過ぎで人が少なく、ガラガラの車両に乗り込むと、見たことのある顔が…
仕事中のハズの主人が ボディコンシャスなワンピースを着た女性の方に手をまわして座って、超・仲良さそうにお話しているじゃあないですか!?
しかも 斜め前の席に座った私に気付きもしないで…!!
私は頭の中が真っ白になってしまって、後は何をどうしたのか、ちゃんと用事を済ませたものか、よく覚えていません。
家に帰ってからも さっきの主人達の姿が 頭から離れず、でも、義母に言うこともできないし…
主人に訊いてみようかどうしようか、悩みました。


数日たって、どうしても自分の気持ちがスッキリしないので
(スッキリするはずないですけど)、
仕事から帰ってきた主人に訊いてみました。

「○日って仕事、お休みだったの?」
「…いや」
「私、お義母さんの用事で、×時の電車に乗って△△に行ったんだけど、3両目に乗っていなかった?」
「……」
それきり、主人は一言も口をきかなくなってしまいました。

次の日から主人は、朝早く家を出て夜中になるまで 家に帰らなくなりました。
私の気持ちは暗く沈み、心穏やかではないけれど、誰かに相談することもできないまま、悶々と悩み続けていました。
(私は実家から遠くに嫁いでいたので、周りに友人や親しい人がいなかったのです。)


<意図せずして発した一言が引き金になってしまうなんて…>

 2・3週間経って、珍しく早めに帰ってきた主人に私は、半分冗談のつもりであの一言を切り出したのです。

私 「離婚する?」
主人「離婚、するっ!!俺がこの家を出ていくから、離婚しよう!」
………!!

あの時はホント、いきなり目の前で爆竹にでも日をつけられたみたいで、涙も出ませんでした。
…絶対「しない!」って言うと思っていたのに…!!
「そんなにわたしのことがイヤだったの!?」
「家のこともお義母さん達のことも、子供達のことも、全部私一人に押し付けて、…それでも仕事が大変なんだから、仕方無いって頑張ってたのに…!!」

…しばらく いろんな想い、いろんな感情が自分の中でグルグルと巡って、苦しい日を送りました。

とんでもないことも考えたりしました。
それこそ、死んでしまった方がいいんじゃないかな…とか。
子供達を見ていると、そんなバカなことはできないって、我に返るっていうか、思い直すんですけど。
一人で悩み続けるのって、本当に…ツラかったですね…

主人は、相変わらず 私と顔を合わせないよう、夜中にしか家に戻りませんでしたし…



<「もう、離婚するしかないんだ…」私は弁護士の伯父に電話をしました。>

 次第に「もう、離婚するしかないんだ…」と思うようになっていきました。
納得できないし、諦めきったわけではありませんが、
「このままではいけない。」
という想いから、弁護士をしている伯父に電話をしました。

いったい何が起きたのか、それに対してどうしたのか、そして今、どういう状況なのか…
…2時間以上は話したと思います。
話をしただけで 少し気持ちがラクになりました。

電話を切る前に、もし、本当に離婚するのだたら、また電話してきなさい、と。
そして、私無い大事な忠告をしてくれたのです。

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