【2009】

□結婚記念日(R18
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その日は朝から…実を言えば数日前から忙しかった

「下拵えOKッス!!」
「器が足りませんっ!!!」
「何処かからか引っ張り出して下さい!!時間がありません」
「はっ!!」
「会場整いましたっ!!」
「きゃー!!用意が間に合わないッス!!」

てんやわんや、てんてこ舞、とにかく目が回るほどに忙しい
前々から準備をしていた筈なのに、いざ当日になれば足りないもの要らないもの足したいもの…主役の希望が仲間内だけですましたいというものだから、調べて用意して…随分と時間がかかってしまった

「調子はどうでござるか?」
「めっちゃ忙しいッス!!」
「そうでござろうなぁ…」

このクソ忙しい時に…
万斉の出現にまた子がイラッとする

「お前は邪魔ッス!!部屋に引っ込んでろ!!」

足を振り上げ追い払おうとするが、万斉は笑うだけ
しかも

「ははは。また子殿パンツが見えるでござるよ」

パンッ!!

「は・や・く、部屋に帰ってろーー!!!」

からかってくるものだから乾いた音と同時に万斉のすぐ後ろの壁に小さな穴が空いた

「怖いでござるなぁ」

銃で撃たれたというのに万斉はなれたもので笑うだけ
それがまた子のいらだちを増長させるのに

「また子さん、それではいつまで経っても終りませんよ」
「黙ってろッス!!」
「……これだから亥女は…」

ハアッとため息を吐いて武市は万斉に向き直る

「これ以上手間取れば予定通りに始められませんよ」
「それは一大事」
「ですのでからかうのを止めにして、大人しく部屋に戻って下さい」
「わかったでござるよ」

武市の言葉に万斉が漸く部屋に戻っていく

「ブッ殺す…」

また子はまだ鼻息が荒かった…


◆◇◆◇◆


「……で、出来た…」
「出来ましたね……」

オォォォオオォォーーーーー!!!!!

その日の昼過ぎ、夕方にはまだ少し早いという頃に、漸く全ての準備が整った
朝食もそこそこに昼食も採らずに進めたおかげでみな空腹を抱えているが、今日、これからのイベントさえ終わればご馳走にありつける
それより何より、今日は門出の日なのだから!!

「さあ皆さん、着替えて下さい。予定通りに二人を連れて来ますよ」

武市の一言に皆が一度部屋に戻った





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