空に茨
□いつつ
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甘味処の屋根の上に、座っている
『乱菊さん。仕事サボって大丈夫ですか?』
「いいの、いいの。いつものことだから」
辺りを見回し
誰もいない事を確認した
『自信げにいうことじゃない』
「はーい」
『にしても、まだ教えてなかったのに良くわかったね』
「だって、長い付き合いだからね(可愛いのが変わらない)」
『1ヶ月だけだけどね…』
短い間だったけど
私は、信じてるから
「手応えあった?」
『わりとね。にしてもアイツの香水キツイ』
鼻が折れる。
「ハッキリ言うわねー」
『ごめんなさい…私の我が儘に付き合わせて』
私は、視線を落とした
「なーに、頼ってくれなくてはね」
『ありがとう。乱菊に危害は及ばないようにさせるから』
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