03/03の日記

22:51
疲れた。
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ため息が、空気を汚す。

開け放たれた部屋の戸からは闇が廊下を隠し、自室の照明だけが煌々と私を照らしている。

『…疲れた。』

先ほどから呟く一言に、明日もあるテストへの戦意と活力が抜け落ちてゆくという錯覚に酔いそうだ。

他人とのコミュニケーションが上手くいかない。

ただ、それだけ。
…そう。それだけ、なのに。

言葉を紡ぐ事すら不器用で、会話していても楽しくないと常日頃から言われてきた。

ああ、なるほど…

たしかにそうだよ。
無理やり場を和ませることしか考えられないから、自分本位な話しか出来ないし。
たとえクラスメートが話し掛けてくれても、二言三言しか会話が成立しえないし。

…どうして良いのか分からないだけなんですよ。

話し掛けられただけでも、嬉しい。
私なんかを気にかけてくれるなんて、っていつも思うから。

常に、私は他人の善意を無駄にしている。
それが分かっていながらも、何もアクションを起こさない。怠慢。

…自己嫌悪に陥って、悪循環な思考を振り切るかのように両手で頭を叩いてみる。

ポスン、と軽い音が骨を通じて聴こえるだけだ。

何も、変わらない。

変わらないことを願ってはないし、むしろ逆。

誰に話す訳でもないけれど…ただ、書き留めておきたかった。
まあ、それさえもただの愚言であるのだろうが。

『疲れた。』

端的に口から零れ落ちたその単語。
ため息混じりの単語に、少しずつ短所なるものが溶けていて、空気中に消えてくれればいいのに。

下らない考えを深めつつ、私は入り口まで歩いた。

戸の向こうには闇。

パチン

右手が弾いたスイッチが、私もその闇へと消した。


…全て、夢だったらいいのに。

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