物語

□紅の涙
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弁:僕のアニメ、<遙かなる時空の中で3 紅の月>は見ていただけましたか?こんにちは、武蔵坊弁慶です

ヒ:ちょっと待ちな。別にアンタのアニメじゃないんだけど

敦:あなたも私たちも、主題歌を歌っていただけで、主役になったわけでは…

弁:そこです

ヒ:どこだ?

敦:??

弁:女性向け。その言葉だけで僕たちが主役となれる可能性はグンと低くなります。
ドラマCDで一時的に主役級にのぼれたとしても、ひと時の夢でしかありません

ヒ:まぁ…ジャンルが「女性向け恋愛ゲーム」って時点でそうだよな

敦:12歳以上が対象なのだから、男が主役には成りがたいだろう

ヒ:へぇ、敦盛は12歳以上対象でなければ、男が主役の恋愛ゲームがあるってこと、知ってるんだ?

敦:神子が18歳以上対象というのを持っていた

ヒ:…望美、17歳だったよな

敦:私の記憶が正しければ

弁:ハイハイ、脱線はそこまでにしておいて。
今回の僕たちは運命の迷宮以前の設定なんですから、勝手に時空を超えないで下さい。
僕が言いたいのは、今回に限らず、八葉が目立ったとしても、ほぼ確実に将臣くんと九郎においしいところを持っていかれて、僕たちは影が薄いということです

ヒ:アイツ、影薄いと思うか?

敦:いや…

弁:無視して続けます。では僕たちが目立つためにはどうすればいいか。それは先人が教えてくれました

敦:先人?

弁:そう。僕たち3人に深い関わりがある先人。

ヒ:それってもしかして!

弁:うしろ向きじれっ隊です!!

ヒ:…やっぱり。あのさ、そういうこと考えるのは世の中にゴマンと

敦:弁慶殿、私たちはすでに「熊野組」として世の中に認識されていると思う

ヒ:オレのセリフ食ってくれてありがとう

弁:それは公式ですか?

敦:?

弁:公式に、「彼らは熊野組です」と発表してもらっているのですか!?

敦:そ、それは…

弁:君たちは「熊野少年」という協力技がありますし、公式でしょう。敦盛くんなんて、ほんの数年しか熊野にいなかったのに、僕を差し置いて熊野の一員になっているんですよ!?僕は熊野水軍頭領の血筋だというのに…!

ヒ:それが本音か

弁:だからじれっ隊みたいに、3人組としてデビューするんです!
そしてCDを作ってもらって、イベントへ行くと歌の出番が増えてますます黄色い声援が…!

ヒ:激しい振り付けについてこれるのか?年が年だし

弁:僕は25歳ピチピチですよ。水軍を裏で牛耳っているとウワサの僕に、売ってはいけないもの売ってるんですか?

ヒ:スミマセン

敦:えぇと…ようするに、熊野3人で正式にユニットを組んでほしいと

弁:そういうことです。リーダーは僕

ヒ:…今、さらっとおかしなコト言わなかったか?

弁:おかしくないですよ?リーダーは僕

ヒ:いや、オレだろ

弁:僕です

敦:ふ、ふたりとも……

ヒ:赤がリーダーだろ!

敦:ヒノエ…っ

弁:お子様には任せられません!

敦:弁慶殿っっ

ヒ:熊野別当だぜ!

弁:参謀ですよ!?

ヒ:トリ歌ってんだぜ!?

弁:一番歌詞長いんですよ!?

敦:じれっ隊と同じで、天の玄武でいいではないか!!

ヒ:…何どさくさにまぎれて言ってんだ?

弁:どうして熊野歴が一番短い君が、なれると思っているんですか?

敦:い、いや、その……最初に歌っているし…?

ヒ:熊野歴の長さならオレだろ!!

弁:僕の方が熊野について詳しいです!!

敦:か、かけあおう!!

ヒ:…何?水?

敦:ではなくて、デビューさせてもらえるように、かけあうんだ

弁:そうですね。まずはデビューする方が先です

ヒ:それで誰がリーダーにふさわしいか、向こうに決めてもらおうぜ

敦:そうだな

弁:それなら、文句はありません
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