ポケモン小説

□遠い笑顔
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今日は、やたら頭がガンガンした。
身体がだるくて、思考が上手くまわらない。
動きも、普段よりもずっと鈍く、足元がおぼつかなかった。
薄れ行く意識が、鈍い痛みと共に途切れた。









遠い笑顔










「・・・・・・?」
未だ頭に重い痛みの残る内に、俺の意識は微かに目覚めた。
段々意識が覚醒していき、頭部の鈍痛もはっきりしていく。
すると、額に、何か冷たいもの・・・これは・・湿らせたタオル、か・・・それが乗せられていた。
身体が熱い。
「・・ノクタスちゃんっ・・」
「・・・」
不意に降ってきた声。
聞き覚えのある。
耳に馴染んだ、愛するひとの声。


「・・ここは―――」
とりあえず、まず最初にそう思った。
「ここね、ポケモンセンターよ、ノクタスちゃん、大丈夫?」
何となく呟いた疑問に、焦ったように答える声。
この声は、確か―

そう思い、脳内で声と人物の顔を照合していると、
思い出す前に、声の主が視界に入ってきた。
緩いウェーブのかかった、紫の長髪と、黄緑がメインの衣服。
貴方は、そうだ。




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