少しオカシな僕の後輩

□少しオカシな僕の後輩
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部活が終わり、電車を待っている間に電話が着た。
「もしもし?」
着信は母、とりあえず出てみた。
「てん?あのね、ねねちゃんが受かったって。しっかり先輩しなさいよ。」
用件を言うなり、母は電話を切った。ねねちゃん、右左木弥猫(うさぎ ねねこ)。1つ下の幼馴染、なんというか僕に懐き“すぎて”いる。中1の時、初めての登校日。それで登校したら隣に座っていたのには流石に驚いた。理由を聞いたら「てん兄がいない学校に行く必要がないから」なんて言い始めた。それから、彼女のオカシさを感じ始めた。それまではあまり気がつかなかったが、意識すると彼女のオカシさは濃くなっていったのを覚えている。そうだ、よく考えたら今の学校。私立四葉総合学園に入学したのは彼女から逃げたいと思っていたのもあったかもしれない。いや、それは考えすぎか。
四葉総合学園は四葉グループという日本で今伸びている会社が運営している。四葉グループは「若者にこそ花、大人はそれを支えるもの」という経営理念で運営している会社でこの学校からの卒業し就職の場合7割は四葉の関係会社に就く。その特徴とでも言うのが、ここの制服は同じ制服が2年続かない。そういう伝統。四葉のデザイン科がある専門学校の卒業生がデザインした制服を専門学生とその年の卒業生で投票し一番人気が来年の制服になる。そういうわけで、制服も人気だし、科も普通科と工業部で分かれている。さらに私立とは思えない安い授業料で親にも人気が高い。当然、倍率は2.5倍以下がありえない。僕は中学時代の陸上部としての功績が評価されて学費2割負担で推薦入学出来た。普通に入試を受けて入るなんて…、ねねの成績はそこまでよくなかった。いつも同じような間違いをして、いつも教えていた気がする。アイツ結構頑張ったんだな。オカシイけど、そこはいいオカシさだ。
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